LOST:Season 2の音楽

というわけで、今回は先日のブログでご紹介した『LOST』の続き。
シーズン2の話でございます。

シーズン1の最終話で、助けを呼ぶためにイカダで島を出たソーヤー、ジン、マイケル、
ウォルトの4人。しかし海上で「他のものたち」に襲われて島の海岸に流れ着き、そこで
815便の後部座席に登場していた生存者たちと対面する事になる、というのが序盤の
展開でしたっけ。

で、その後部座席の人たちというのがロス市警のアナ・ルシア、ヤクザ神父のミスター・
エコー、臨床心理士のリビー、歯科医のバーナードといった割とアクの強い面々だった
わけですが、大半がシーズン2(及びシーズン3の序盤)で死んでしまいましたなぁ。
今も活躍してるのはバーナードぐらいか?先日のシーズン5の放送で、アナ・ルシアが
チラッとゲスト出演してましたが。

個人的にはジャックとソーヤーが気に入っているので、彼らの活躍(あるいは行動)に
特に注目しているのですが、最初のシーズンに比べてソーヤーが徐々にいいヤツに
なりつつあるのが興味深かったです。「斜に構えた皮肉屋だけど、実はいい奴」という、
ドラマ的に一番オイシイ役柄。戦隊ヒーロー物で言うところのブラックのポジションですね。
ジャックとソーヤー、ケイトの三角関係を見ていて『鳥人戦隊ジェットマン』を思い出しました。
あれもレッドとブラックがホワイトを取り合う話でしたからね。

放送当時はそれほどでもなかったのですが、最近TVで覚せい剤事件のニュースを見て
ますと、チャーリーのエピソードが実に興味深いものになってきます。落ち目の芸能人や
ミュージシャンがなぜクスリに走るのかとか、禁断症状はどんなものなのかという描写の
リアルさもさることながら、ドラッグってもんは、せっかく掴みかけた幸せも一瞬でフイに
しちまうものなんだなぁ、と痛感してしまうチャーリーの墜ちっぷりが実に悲しい。

さてシーズン2のサントラは、ライナーノーツの原稿締切が最終話(48、49話)の放送前
だったので、曲タイトルをどうしたものかと死ぬほど悩んだ記憶があります。

“I Crashed Your Plane, Brotha”という曲は「ああ、デズモンドのセリフだなー」と本編を
見ていなくてもすぐ分かったのですが、防護服に身を包んだインマンの登場シーンの曲
“Toxic Avenger”なんて、どんなシーンの曲だか全くイメージ出来ませんでした。「何で
ここで『悪魔の毒々モンスター』の原題が出てくるんでしょうね?」とランブリング・レコーズの
Mさんと話したくらいです。多分、防護服=Toxic=毒々モンスターという言葉遊びだったん
でしょう。余談ですが、『LOST』のサントラは毎回”言葉遊び”の入った曲タイトルが多く、
なかなかレコード会社泣かせ&ライター泣かせな作品でございます。

音楽の雰囲気はシーズン1とほぼ一緒。やや内省的なスコアが増えたかもしれません。
ギターでGrant-Lee Philipsが参加している点が、コアな洋楽ファンにはポイント高いかと。

(まだ、つづく)

『LOST Season 2』オリジナル・サウンドトラック
音楽:マイケル・ジアッキノ
品番:GNCE3068
定価:2,625円