最近買ったサントラ盤(『メイフィールドの怪人たち』拡張盤, 『氷の微笑』2枚組拡張盤)

昨年の暮れに『L.A.コンフィデンシャル』(97)と『ダブルボーダー』(87)の拡張盤サントラを買って以来、改めてジェリー・ゴールドスミスの音楽はいいなぁと思うようになり、年が明けてからまだ買っていなかったゴールドスミスの拡張盤サントラを買いました。
いずれも諸々の理由で購入を先送っていたアルバムでしたが、「いざ欲しくなった時に品切れ廃盤になっていたらマズい」というわけで購入に踏み切った次第です。

■その1:『メイフィールドの怪人たち』(89)拡張盤

ジョー・ダンテ監督、トム・ハンクス主演のホラーコメディ。
ワタクシなかなかこの作品を観る機会に恵まれず、昨年La-La Land Recordsから拡張盤がリリースになった時もすぐには買いませんでした。

しかし絶妙なタイミングでザ・シネマにて映画の放送があり、ブルース・ダーン(退役軍人のご近所さん役)が登場する度に『パットン大戦車軍団』(70)のパロディのようなエコープレックスのトランペット・ファンファーレが鳴って笑ってしまったので、これはちゃんとサントラを買ってゴールドスミスの音楽を聴いたほうがいいなと思って購入しました。

ホラー”コメディ”でありながらメインテーマはきっちりホラーな雰囲気を出しているし、パイプオルガンを使った王道サウンドもいい。そして相変わらずパーカッションやシンセで変な音を鳴らしてくれている。
こういうドタバタした映画でも本気の音楽を書き下ろしてくれるゴールドスミスは本当に素晴らしい。気心の知れた監督のためなら、たとえそれがB級映画でも全力で取り組んでくれる人だったんだなと改めて思いました。ジョー・ダンテ作品でも『グレムリン』(84)や『インナースペース』(87)など傑作スコアをたくさん作曲してましたし。

そして映画本編も予想以上に面白かった。やっぱりトム・ハンクスはスラップスティックなコメディに出ていた頃が一番輝いてたなと思います。CDトレイ部分の写真もよかった。

メイフィールドの怪人たち(リマスター完全盤)世界1500枚限定盤 [輸入盤国内品番] – amazon
オリジナル・サウンドトラック メイフィールドの怪人たち(リマスター完全盤)<限定盤> – TOWER RECORDS

■その2:『氷の微笑』(92) 2枚組拡張盤

ワタクシ『氷の微笑』のサントラは2004年にPrometheus Recordsから発売になった拡張盤(CD1枚/収録時間74分)を持っているので、Quartet Records盤は買わなくてもいいかなと思っておりました。


しかし6月に30周年記念レストア版の上映もあるというし、Quartet盤は正しいキュータイトル、正しい曲編集で構成されている上に、Disc 2に通常盤の内容を丸々収録してR指定版のスコアを数曲追加で収録しているということで、やはり買っておこうと考え直した次第です。

Disc 1にフィルムスコアを全22曲、72分完全収録。
Disc 2は通常盤サントラの内容全10曲と別バージョンの曲を4曲収録して53分強。
トータル125分ちょっとというボリュームです。

ゴールドスミス本人が「一番難しい仕事だった」と語っているだけあって、メインテーマのメロディは絶品ですね。。確かこのテーマ曲が出来上がるまで5週間を要したんだったかな。ポール・バーホーベンは作曲家と緊密に仕事をするのを好むタイプなので、作曲家にもかなり厳しい要求をするらしい。無茶振りするというよりは、「あなたならもっといい曲が書けるはずだ」と発破をかける感じみたいですが。

【全世界2000枚限定】氷の微笑-完全盤- (Basic Instinct) – amazon
オリジナル・サウンドトラック 氷の微笑-完全盤-<限定盤> – TOWER RECORDS

最近(特にアメコミヒーロー映画)は続編だろうが何だろうがあっさり作曲家が交代してしまうし、こういうバーホーベンとゴールドスミスのような曲作りはやりにくくなっているのが現状でしょうね。
個人的には、映画スタジオやプロデューサーはもっと映画音楽を大事にしてほしいと思いますが。

Mychael Danna & Jeff Danna『A Celtic Romance』好評発売中!
iTunes
A Celtic Romance: The Legend of Liadain and Curithir - Mychael Danna & Jeff Danna