
La-La Land Recordsから発売になった『レインマン』(88)のリマスター拡張盤サントラと、『ビバリーヒルズ・コップ3』(94)のスコア盤サントラを買いました。

『レインマン』リマスター拡張版サウンドトラック(Rambling Records取扱い・輸入盤国内品番仕様) – amazon
オリジナル・サウンドトラック レインマン リマスター拡張版<限定盤> – TOWER RECORDS
Rain Man: Remastered & Expanded Limited Edition<限定盤 La-La Land Records> – TOWER RECORDS
『レインマン』のスコア盤サントラは以前notefornoteから発売になったものを持っているので、「さほど中身が変わらないなら購入を見送ってもいいのではないか…?」と一瞬思ったものの、
「ハンス・ジマー監修のもと、Stéphane Humezがプロデュース、Maxime Marionがマスタリングと編集を担当」
…などと製品情報が書かれていると「やっぱり音がよくなってるのかな」と食指が動き、結局買ってしまったのでした。
notefornote盤はジマーさんがノータッチのまま発売されたアルバムのようなので、「みなさまのお墨付き」ならぬ「ジマーさまのお墨付き」であるLa-La Land盤はそういう意味で安心感があるような気がします。

収録内容はスコアが14曲で、ボーナストラックが4曲と1988年盤のサントラに収録されていた劇伴が2曲。スコア14曲というのはnotefornote盤と同じですが、ひと繋がりになっている一部のスコアのカット位置が違っていたりします。

例えばnotefornote盤で”Train Crossing/Walk Don’t Run/Farmhouse”だった曲が、La-La Land盤では”Train Crossing – Walk, Don’t Run”と”Farmhouse”に別れている。そんな感じの微妙な差異があります。
そしてボーナストラック4曲というのが今回新規に追加されたもので、
Rain Man 2000 Concert Suite (Demo)
Piano Music (Source)
On The Road (Panpipe & Bass)
Smoke Alarm, Aftermath (Alternate)
というラインナップ。
2000年のコンサート用組曲のデモというのは、「The Wings of a Film」のタイトルでDeccaからアルバムもリリースになっていたライブ用のものでしょう。
当方のオーディオ環境だと音の違いがそんなに詳しくは分からないものの、ヘッドホンで聴くとnotefornote盤より音の輪郭がハッキリした…ようにも聞こえます。気のせいかもしれませんが。
あと今回のLa-La Land盤のブックレットにはジマーさんの最新インタビューが載っているので、ジマニストな方にはそのあたりも購入の決め手になるのではないかと。まあ内容的にはドキュメンタリー映画『ハンス・ジマー 映画音楽の革命児』(22)の中で話していたことと重複しているものの、この映画を観られなかった方には資料的価値が高いと思います。

そして『レインマン』と一緒に買ったのが『ビバリーヒルズ・コップ3』のスコア盤。
自分はそれほどこのシリーズに強い思い入れはないものの、”AXEL F”をはじめとするハロルド・フォルターメイヤーの劇伴はシンセポップ・インストの名曲だと思うし、第1作と第2作のLa-La Land盤も以前買っていたし、何よりナイル・ロジャースのサントラは貴重なので資料的価値が高いと思ったので購入した次第です。
『ビバリーヒルズ・コップ3』30周年記念仕様サウンドトラック (Rambling Records取扱い・輸入盤国内品番) – amazon
オリジナル・サウンドトラック ビバリーヒルズ・コップ3<限定盤> – TOWER RECORDS
Beverly Hills Cop III<限定盤 La-La Land Records> – TOWER RECORDS
収録内容はロジャースが作曲を手掛けたスコアが15曲で約26分。
バージョン違いのスコアが6曲で約13分。
テーマパーク「ワンダーワールド」の音楽が12曲・約20分。
未使用曲4曲と”AXEL F”の別バージョンを収録して合計67分という感じ。
ロジャースの劇伴が思った以上に少なかった。
まぁ歌曲も使っていましたからね。
それよりもテーマパークの音楽がロジャースの劇伴と同じくらいの割合で収録されていて、アルバムを聴いているうちに「自分は遊園地音楽集のCDを買ったのか?」という気分になって笑ってしまいました。
なんでこんなに遊園地の音楽にも重点を置いたサントラになっているのかというと、「ワンダーワールド」の音楽をわざわざディズニーの映画音楽で知られる巨匠ロバート&リチャード・シャーマンに作ってもらったから。これはジョン・ランディス監督のこだわりだったらしい。
ランディスのこだわりといえばもうひとつ、今回の劇伴がフルオケになったのも彼の意向らしいです。
『ビバリーヒルズ・コップ』の音楽はシンセで既にスタイルが完成されていると分かっていたロジャースは、第3作の劇伴をオーケストラでやりたいとランディスから言われて、「そりゃ『JAWS』のテーマをハーモニカで演奏するようなもんだぜ?」と返したそうな。ちなみにランディスとロジャースは『星の王子 ニューヨークへ行く』(88)で既にコラボ済みで、その縁からの参加だったようです。
そういえば『ターミネーター』シリーズも第3作から生オーケストラを導入するようになったし、この時期(1990年代半ばから2000年代)から「1980年代のシンセ劇伴はダサいから、オーケストラ主体のものに差し戻そう」という動きが顕著になったのかもしれません。最近はまたシンセスコアの面白さが見直されてきていますが。

そういう映画音楽のトレンドの移り変わりが分かるという点でも興味深いアルバムだったなと思います。
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