
1月の話なのでだいぶ時間が経ってしまいましたが、La-La Land Recordsから発売になった『007/消されたライセンス』(89)の限定盤サントラを買いました。
【輸入盤国内品番】007/消されたライセンス 35周年記念/リマスター&拡張盤 – amazon
Licence To Kill (35th Anniversary Remastered and Expanded)<限定盤> – TOWER RECORDS
La-La Land Recordsのサイトと007公式サイトで先行販売を実施したあと、一般のショップ(日本だとタワレコとかamazon)で取り扱いが開始になるという売り方だったので、全世界5,000枚限定リリースとなると早めに買っておいたほうがいいかなと思い、La-La Landのサイトから購入しました。ちょうど今月(4月)から一般のショップにも流通するようになるみたいなので、このブログを投稿するのもちょうどいいタイミングだったかなと思った次第です。
以前BS日テレで『007』シリーズの一挙放送があったとき、「『消されたライセンス』のサントラも拡張盤が出ないかな~」などとSNSに投稿しましたが、意外と早く当方の願いが叶いました。
『消されたライセンス』は通常盤サントラも当時プレス枚数がそれほど多くなかったのか、中古でもほとんど見かけなかったので、今回の拡張盤リリースは実に有難かった。
Disc1にマイケル・ケイメンの劇伴をCDの収録時間ギリギリの74分まで収録し、Disc2にはDisc1に入りきらなかった劇伴8曲と追加音楽(ソースミュージックやバージョン違いの劇伴)8曲、そして通常盤サントラの内容45分をまるまる収録。合計2時間29分の大ボリュームになっております。
ジョン・バリーは『リビング・デイライツ』(87)のあと大病を患ったので、『消されたライセンス』の音楽は作曲できないという事態になったそうです。『リビング・デイライツ』で主題歌の方向性でa-haと揉めて、「このシリーズからはもう引き時」と思った側面もありそうですが。ともかく、こういった事情で大抜擢されたのが、当時ブレイク中のケイメンだったというわけです。
アメリカ人作曲家が『007』の音楽を担当するのは『ユア・アイズ・オンリー』(81)のビル・コンティ以来になるのかな。
ケイメンはピンク・フロイドやエリック・クラプトン、ロジャー・ダルトリーらUKロック界のアーティストとの仕事で高い評価を得ていたし、『未来世紀ブラジル』(85)や『刑事ロニー・クレイブン』(85)、『モナリザ』(86)など英国映画のスコア作曲も手掛けていたので、英国の映画/音楽関係者から一目置かれた存在だったことも大きかったのではないかと思います。
正直なところ、1990年代に地上波放送などで『消されたライセンス』を観たときは、それほどケイメンの劇伴を意識して聴いていたわけではありませんでした。
しかし今回サントラでじっくり聴いてみると、実に「ケイメンらしい」音楽だなと思いました。金管楽器の使い方とか『ダイ・ハード』(88)や『リーサル・ウェポン』(87)のノリに近い。「ジェームズ・ボンドのテーマ」を使っていない劇伴のほうがケイメンらしさを味わえるような気がします。
なおブックレットのライナーノーツによると、ケイメンは元ジョン・バリー・セブンのヴィック・フリック(『007は殺しの番号』(62)で「ジェームズ・ボンドのテーマ」のギター演奏を手掛けた人)を本作のギタリストとして招聘したそうな。粋な計らいですね。
グラディス・ナイトの主題歌も久々に聴きましたが、プロデュース/編曲がナラダ・マイケル・ウォルデンなので、1980年代の雰囲気を纏ったソウルミュージックという感じで、これが実にきらびやかで聴き惚れてしまう。この時代までのソウルは本当によいですね…。ブラックミュージックはヒップホップが幅を利かせる前のソウル/ファンクが一番好きです。
惜しむらくは劇伴と主題歌は完全に分業制で作られたので、グラディス・ナイトの主題歌の旋律はケイメンの劇伴では使われていないということでしょうか。
La-La Land Recordsは定期的に『007』シリーズの限定盤サントラを出しているので、それほど待たずに『リビング・デイライツ』も限定盤サントラが発売になるかもしれません。まあ自分が生きているうちにリリースしてほしいところです。
Daryl Hall & John Oates 関連商品 好評発売中!
■Eliot Lewis / Enjoy The Ride+Master Plan
Enjoy The Ride (iTunes)