自分は前作『96時間』(08)がすごく気に入っているので、
続編『96時間 リベンジ』(12)は期待半分・不安半分で観に行きました。
しかしいざ本編を観てみたら、続編とはいえまあまあ楽しめたのでひと安心。
ブライアン(リーアム・ニーソン)の親バカぶりは今回も健在ですが、続編ではそこに「元妻(ファムケ・ヤンセン)にも未練タラタラ」という要素が加わり、「俺の家族に手ェ出す奴は全員ブッ殺す!」的な家族ヒーローっぷりに磨きがかかりました。前作のパリに続いてイスタンブールの街を破壊しつつ、至る所でリーアム無双を繰り広げる事になります。
個人的にツボだったシーンは以下の通り。
■オフ時のブライアンパパのサエないオジサン&親バカ描写
(カーステレオで妙にレトロな懐メロを聴いていたのがツボ)
■前作同様CIA仲間と呑気にバーベキュー
■元妻レノーアに「最低の男」のひと言であっさり片付けられる再婚相手
(今回ザンダー・バークレーは出演してません)
■アルバニアン・マフィアにボコられる前作のパリ警察の悪徳刑事
(あのあと殺されたんだろうなー。生かしておくわけないもんな…)
■誘拐される前のショッキングな電話
■「手榴弾を爆発させて居場所を特定」というブライアン発案の危険かつ迷惑極まりない捜索方法
■ブライアンパパが娘のキムに伝授する実戦的路上教習・イスタンブール編
(そりゃ最後に路上試験もパスするよなーと思いました)
■父親のDNAを確実に受け継いでいそうな、キムの驚異的な身体能力&学習・適応能力。
(まぁ活躍させすぎという気もしますが…)
■「車で5分待て」のシーンで、『ドライヴ』(11)のオープニングと同じ曲を使っている
(ChromaticsのTick of The Clock)
■アルバニアン・マフィアがザコにしか見えないリーアム無双っぷり
(ボスがレイド・セルヴェッジアの翁じゃ絶対リーアム拳には勝てない)
『ドライヴ』のサントラからはもう1曲、College & Electric YouthのA Real Heroも使われていて(キムがiPodで聴いていた曲)、なぁんだ、リュック・ベッソンもあの映画が好きなんだなーとニンマリしてしまいました。
Tick of The Clockは今後もサスペンス映画のサントラで需要がありそうな気がします。何しろああいう曲なので、タイムリミット型のスリラーで重宝しそう。
「ファムケさんってボンドガールのオナトップだろ?もっと活躍させたれよ」的なお声もあるようですが、そうするとリーアム・ニーソンのカゲが薄くなるので、「基本的に活躍するのはブライアンだけ」という構成でOKだと思います。アクション映画の続編は、このへんのバランス配分を間違えて失敗する事が多々ありますが、本作はまぁギリギリその失敗を回避出来たかなと。ただ、オリヴィエ・メガトン監督は相変わらず殺陣の見せ方がイマイチというか何というか…(ムダなカット割が多い、カメラが近すぎなど)。『トランスポーター3』(08)の時の悪いクセが相変わらず出てるなぁ、というのが気になりました。
オリジナル・スコア作曲は前作に続いてナサニエル・メカリー。アラビック・ヴァイオリンのソロなどを取り入れてエキゾチックな雰囲気を醸し出しつつ、オーケストラ+打ち込みのモダンなスコアを書き下ろしています。ベッソンプロデュースの映画の音楽はアレクサンドル・アザリアとメカリーほぼ固定かな。『ロックアウト』(12)や『トランスポーター』シリーズはアザリア、『96時間』シリーズはメカリーという具合。
サントラはヨーロッパ盤しか出ていないようで、わざわざイギリスのAmazonで買いました。このシリーズが大好きな人間としては、やっぱりサントラもCDで揃えておきたいので。アルバムはエンドクレジットで流れるAlex ClareのToo Closeやその他歌モノ+メカリーのスコアを収録した全24曲。もちろん前述の『ドライヴ』で使われた2曲も入ってます。
恐らくプレス枚数はそれほど多くないと思われますので、気になる方はサントラ盤を見つけ次第、速やかに購入される事をオススメします。
余談ですが、バーニー役がデヴィッド・ウォーショフスキーからD.B.スウィーニーに代わってました。地味すぎるキャスト変更。