追悼 ジェームズ・ホーナー(1953-2015)

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『タイタニック』(97)、『アバター』(09)などの音楽で知られる作曲家ジェームズ・ホーナーが、
自身の所有する小型飛行機の墜落事故で亡くなられました。享年61歳。

最初はフライング気味の誤報だろうと思いました。
(そうであってほしいという願望もあったこともまた事実でしたが)
ホーナー所有の小型機が墜ちたというだけで、
本人が乗っているとは限らないだろうと。
でもツイッターやSNSで映画音楽家の皆さんが続々と声明を出しているのを見て、
本当にホーナーが事故に遭ったのだと認めざるを得なくなりました
そしてハリソン・フォードの時とは違い、
怪我だけでは済まなかったことが分かって、
しばらく頭の中が真っ白になりました。

ご高齢で…とか病気を患われて…という理由で亡くなられたのであれば、
こちらもある程度の覚悟というか諦めというか、
その事実を悲しいながらも受け入れられると思うのですが、
こんな唐突な亡くなり方はどうにも納得がいかない。

芸術の分野に多大な貢献をした音楽家がこんな亡くなり方をしていいんですか?
映画音楽界も映画ファンもサントラファンも、
まだまだあなたの音楽を必要としていたんですよ?
『アバター』の続編の音楽を担当してくれるんじゃなかったんですか?
『Southpaw』(15)の音楽が賞レースに絡んでくるかもしれないじゃないですか?
既存のクラシック音楽の流用とか、
自作曲の使い回しを指摘する批評家もいたけれども、
「それでもホーナーの音楽はやっぱり凄い」と言わせるような音楽を、
これからも作り続けてくれるんじゃなかったんですか?

それなのにこんな形で亡くなられてしまうとは、
この世は天才肌の音楽家に何て残酷な仕打ちをするのだろうか、と本気で悲しくなりました。
いろいろショックが大きすぎて、
哀悼の意を表してホーナーのサントラ盤を聴くという行動にも出られないでいるのが現状です。

 

正直な話を書かせて頂くならば、
ハンス・ジマーやダニー・エルフマンらの作品に比べると、
手持ちのホーナー作品のサントラ盤はそれほど多くはありません。
しかし自分の映画人生・サントラ人生の中で刺激的な音楽体験をした時、
そこには必ずジェームズ・ホーナーの作品があったような気がします。

仕事場にあったジェームズ・ホーナーのサントラ盤。
仕事場にあったジェームズ・ホーナーのサントラ盤。

自分がいろいろ洋画を観るようになったのは90年代になってからのことなのですが、
実家が某映画専門チャンネルに初めて加入した時、
最初に観たのが『パトリオット・ゲーム』(92)だったし、
初めて映画館に観に行った洋画は『今そこにある危機』(94)でした。、
『この森で、天使はバスを降りた』(96)の音楽が素晴らしくて、
サントラ盤を探し求めてCDショップを何軒も探し回ったこともあったし、
ランブリング・レコーズさんと『リクルート』(03)で初めてお仕事させて頂いた時、
『リクルート』のサンプル盤と一緒に『すべては愛のために』(03)のサントラ盤を送って下さったこともありました。
そして『フライトプラン』(05)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂く機会にも恵まれました。
どれも忘れられない思い出です。

 

今はまだ喪失感が大きすぎて、
ホーナーの作品を聴こうという気分にはなれませんが、
気持ちの整理がついたら上記の「自分にとっての思い出の作品」を少しずつ聴こうと思います。

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R.I.P. James Horner

 

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