映画『Re:LIFE~リライフ~』(14)については既にブログで2回書いているし、
twitterでもさんざん小ネタをツイートさせて頂いているのですが、
それでも何だかまだ書き足りない。
「お前は『Re:LIFE』の何がそんなに好きなんだ?」と言われたら、
やはり「音楽がいいから」というのが最大の理由ではあるのですが、
映画の内容自体もワタクシ好みなのです。
「人としてちょっとダメな大学講師が自分の人生と向き合いながら、その過程で若者の才能を開花させていく」
…というストーリー展開は、
ワタクシの大好きな映画『ワンダー・ボーイズ』(00)とどこか共通するものがあって、
落ち目の脚本家兼ビンガムトン大学創作コース講師のキース・マイケルズと、
スランプ状態の作家兼ピッツバーグ大学教授のグラディ・トリップが重なって見えるのです。
で、その『ワンダー・ボーイズ』ではボブ・ディランやニール・ヤング、
ジョン・レノンなどの懐メロが要所要所でトリップ教授の心情を代弁していたけれども、
『Re:LIFE』ではクライド・ローレンスがジャズ、ブルース、ファンクの3つの音楽スタイルを巧みに使い分けて、
オリジナル・スコアでキースの内面をさりげなく、しかし緻密に描いていたと。
ちなみに『ワンダー・ボーイズ』はスコア盤が発売中止になってしまいましたが、
あちらもクリストファー・ヤングがジャジー&ブルージィなスコアを作曲しておりまして、
やはり「人生に行き詰まった男」のドラマにはブルージィな音楽が合うのかなと思ったりもします。
さてクライド君はどんな風に3つの音楽スタイルを使い分けて、
キース・マイケルズの内面を描いていたのかというと、
まぁ簡単に言ってしまえば、
通常時:ジャジーな感じ
ちょっと気落ちしている時:ブルージィな感じ
気分がノッている時:ファンクな感じ
…という具合です。
これからこの映画をご覧になる方や、
2度目の鑑賞の方、
映画を観るより先にサントラを聴いた方は、
この点に注目して是非本編をご覧になって頂きたい。
テーマ曲を変奏させて登場人物の感情を表現をする手法は一般的ですが、
音楽のジャンルそのものを変化させて描くというのは珍しいかなと。
このあたりはクライド・ローレンスがまだものすごく若いミュージシャンなのと、
映画音楽の作曲が本職ではないから、
型に囚われない自由な発想ができるのではないかなーと思います。
そういう意味でも聴いていてなかなか楽しいサントラです。
なおランブリング・レコーズさんから発売中の『Re:LIFE』のサントラ盤ですが、
ブックレットにはクライド・ローレンスのインタビューを交えた音楽解説と、
お父さんのマーク・ローレンス監督が寄稿したライナーノーツの原文と全訳が載ってます。
音楽の良さはもちろん、
読み物としても充実した内容になっているのではないかなと思います。
映画パンフでは恐らくあまり語られていないであろう音楽についてのコラムは、
『Re:LIFE』の国内版サントラをお買い求め頂くことで補完できる…と思います。
『Re:LIFE ~リライフ~』オリジナル・サウンドトラック
音楽:クライド・ローレンス
レーベル:Rambling Records
品番:RBCP-2966
発売日:2015/11/04
価格:2,400円(+税)
『ワンダー・ボーイズ』のサントラはコチラ。
Daryl Hall & John Oates 関連商品 好評発売中!
■Eliot Lewis / 6 & One
レーベルショップ
iTunes
■Eliot Lewis / Enjoy The Ride+Master Plan
レーベルショップ
Enjoy The Ride (iTunes)
■Charlie DeChant / Like the Weather
レーベルショップ
iTunes