Varese Sarabandeから2000枚限定でリリースされた、
名作『エグゼクティブ・デシジョン』(96)のエクスパンデッド盤。
限定盤ゆえ少々お高い買い物でしたが、
タワレコのクーポンなどを利用して3,700円前後で購入しました。
音楽はもはや説明不要のジェリー・ゴールドスミス。
当時もこの映画のサントラ盤はリリースされたのですが、
90年代後半ごろのVareseのスコア盤は、
諸般の事情で収録時間が30分前後のものが多くて、
未収録曲が多すぎて正直物足りなかったんですね。。
しかし今回は全29曲で収録時間も余裕の70分超え。
俺の聴きたかった『エグゼクティブ・デシジョン』のサントラはこれだったんだよ…!
…と、18年越しの宿願が叶った気分です。
音楽的にはいつものゴールドスミス節とでも申しましょうか、
弦のオスティナートに金管、ミュート・トランペットのミリタリー調のメロディー、
キレのある打楽器にシンセ(Roland JD-800, SP-700, Yamaha DX-7, Korg M-1など)、
悪役が中東系テロリストなので、
非西洋的な楽器(タブラ、シタール、ドゥンベックなど)を投入といった感じ。
歩き慣れた道を行くような安心感・安定感のあるゴールドスミス・サウンドになってます。
この映画、カート・ラッセルやセガール、ジョン・レグイザモ以外にも、
『ターミネーター2』(91)、『スピード』(94)のジョー・モートン、
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(14)のオリヴァー・プラット、
『名探偵ポワロ』のデヴィッド・スーシェ、
『逃亡者』(93)の”片腕の男”ことアンドレアス・カツラス、
『交渉人』(98)の故J.T.ウォルシュなど豪華助演俳優が顔を揃えておりますが、
ドナルド・トランプの元嫁も出てましたねー。
ハル・ベリー扮するフライトアテンダントの同僚役で。
あと、テロリストに殺されてしまうフライトアテンダント役で、
『リーサル・ウェポン』シリーズでセラピスト役を演じた故メアリー・エレン・トレイナーが出てます。
この映画の同年に『ザ・ロック』(96)が公開されていたので、
『エグゼクティブ・デシジョン』と「対テロ映画対決」みたいな感じになってましたが、
ヒットの度合いで言えば、
当時絶好調だったブラッカイマー製作の『ザ・ロック』に軍配が上がっていたような気がします。
でも『エグゼクティブ・デシジョン』も興行成績トップ10に割と長く留まっていたんじゃなかったかなー。
ストーリー的には『エグゼクティブ・デシジョン』の方が緊張感があって面白かったですけどね。
セガール拳が炸裂する大味アクションになるのかと思いきや、
不測の事態が起こって密室スリラーになる展開は当時すごく秀逸だと思いました。
最近は『チェーン・リアクション』(96)や『パウダー』(95)など、
90年代ゴールドスミス作品の完全盤・エクスパンデッド盤が続々リリースされていますが、
そろそろ『L.A.コンフィデンシャル』(97)の完全盤なんてどうですかね?
あれも当時のスコア盤は収録時間が30分ちょっとだったので、
もっとたっぷりゴールドスミスの音楽を聴きたいのですが。
■タワーレコードのジェリー・ゴールドスミス関連商品紹介ページ
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Chain Reaction: Deluxe Edition<限定盤>
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