『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでアラン・シルヴェストリの音楽に魅せられたあの頃のお話。

ワタクシ初めて買ったサントラ盤はハンス・ジマーの『アサシン 暗・殺・者』(93)と、パトリック・ドイルの『カリートの道』(93)スコア盤とソングコンピ盤でした。

しかし映画のサントラには「ソングコンピレーション盤」と「スコア盤」の2種類があることを知り、そのうえでフィルムスコアに関心を持つきっかけとなったのは、たぶん『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)だったのではないかと思います。

…というのも、ワタクシは子どもの頃に『BTTF』を地上波放送で観てハマった人間なのですが、同時にアラン・シルヴェストリの音楽にも魅了されたのでありました。

ところが当時リリースされたサントラ盤というのが「ソングコンピレーション盤」で、シルヴェストリのスコアは2曲しか収録されていなかった。
MTVが隆盛を極めた80年代は「映画のサントラ=ヒット曲を集めたコンピ盤」という風潮になっていて、映画音楽家のスコアにはあまり日が当たらない時代だったような気がします。
だから「サントラ盤っていうのはこういうものなんだな」と思いながら、2曲だけ収録されたシルヴェストリのスコアを聴いて満足するしかなかった。まあコンピ盤とはいえ、映画の公開から7,8年経っていても『BTTF』1作目のサントラが手に入ったのは運がよかったと言えるのですが。

で、そんな自分の「アラン・シルヴェストリのBTTFのスコアをフルで聴きたい!」という願いが叶ったのが2009年。
IntradaからシルヴェストリのスコアをCD2枚組で収録した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』デラックス・エディション盤が枚数限定で発売されたのでした。当然のように予約して購入しました。

Disc 1に映画で使われたスコアを24曲・49分24秒収録。
“The complete original motion picture soundtrack”と書いてあるので、思ったよりスコアの分量が少なかったんですね。

Disc 2は”The creation of a classic… Alternate early sessions”ということで、初期セッションのスコアを15曲と、未使用のソースミュージック1曲の合計39分30秒を収録。

このように『BTTF』スコア盤のリリースが実現するまで約四半世紀かかったわけですが、その前にも「BTTFのシルヴェストリのスコアを聴きたい!」という欲求を少しだけ満たしてくれるアイテムがありました。それが「バック・トゥ・ザ・フューチャー・トリロジー」でした。

これは『BTTF』3部作のシルヴェストリのスコアを厳選して収録したトリロジー盤なわけですが、アルバム最大の目玉は、従来盤で2曲しか収録されていなかった第1作のスコアが8曲も聴けること。
ただしこれはオリジナル音源ではなく、ジョン・デブニーがロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラを指揮して新規に録音したもの
原曲に比べると、デブニーらしい重厚さが出た演奏になってます。
これはこれでなかなか迫力のあるアレンジで、当時何度もアルバムを聴いたものです。

すると慣れというのは恐ろしいもので、トリロジー盤のデブニー版の音にすっかり耳が馴染んでしまって、Intradaのデラックス盤で久々にシルヴェストリのオリジナル音源を聴いた時、「あ、割と軽快な感じのサウンドだったんだなぁ」と思ってしまったほどでした。

ちなみに『BTTF』のトリロジー盤は、先頃「サウンドトラック傑作選50」でランブリング・レコーズさんからDSDリマスター盤で再発売されました。
Intradaのデラックス・エディション盤が既に廃盤となった今、『BTTF』第1作のスコアが8曲聴ける貴重なアルバムかと思いますので、気になる方は早めにご購入頂いた方がよろしいかもしれません。
ボーナストラック的な位置づけで、ユニバーサルスタジオのアトラクション「バック・トゥ・ザ・フューチャー:ザ・ライド」用の音楽が1曲収録されているのも嬉しい一枚です。

そして続編はどうなっているのかと申しますと、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 2』(89)の2枚組デラックス盤がIntradaから
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 3』(90)の2枚組デラックス盤がVarese Sarabandeから発売されました。
(後者は公開25周年記念盤という位置づけ)

PART3のサントラはデジタルダウンロードで購入可能。
Back To The Future Part III: 25th Anniversary Edition (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music

ワタクシ、タイムトラベルものは「未来へ行く」話よりも「過去へ行く」話の方が好きなので、PART 2よりもPART 3の方が好きだったりします。
この話をすると、ほとんどの場合「え~何で? 『PART 2』の方が面白いじゃないですかぁ」と言われるのですが、個人的な好みの問題なので、「何で?」と言われても困るんですよね。。
音楽的な面から見ても、『PART 3』はシルヴェストリのスコアに西部劇のテイストが入ってくるので面白いと思うのですが。
シルヴェストリは『ヤングガン2』(90)や『クイック&デッド』(95)でも西部劇音楽を作曲してますし。

あ、ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 2』のサントラ盤はユニバーサルミュージックから1,000円+税の6ヶ月期間限定盤で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 3』のサントラ盤は「サウンドトラック傑作選50」で1,800円+税で再版されました。

限定盤はもう売り切れor廃盤になったものもありますが、「サウンドトラック傑作選50」で発売になったアルバムはまだ入手可能なので、興味がある方は品切れになる前にゲットして頂くのがよろしいかと思います。

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