コロナ渦の巣籠もり生活のお供は、Chromebookと映画のサントラ盤…というわけで、最近もいろいろサントラを買っています。
…と言っても、今回ご紹介するのは全部デジタルダウンロード版のみのリリースのもの。
いずれもCDリリースされていたら絶対CDで買っていたであろうタイトルですが、まあ致し方ありません。
■オールド・ガード(2020)
Netflixで配信中のアクション映画のサントラ。音楽は何とフォルカー・ベルテルマン(ハウシュカ)とダスティン・オハロラン。
ハウシュカとオハロランといえば『LION 25年目のただいま』(16)の音楽でアカデミー賞作曲賞にノミネートされた、両者ともにポスト・クラシカル界の鬼才ピアニスト。
最近のハウシュカは『ホテル・ムンバイ』(18)や『アドリフト 41日間の漂流』(18)のような音楽も担当しているので、アクション映画もイケそうだなという気はしましたが、オハロランはワタクシの大好きな『今日、キミに会えたら』こと『LIKE CRAZY』(11)の音楽のイメージが強いので、シャーリーズ・セロンのアクション映画の音楽を担当するというのは正直かなり意外でした。
サウンド的には「アートなアクション映画音楽」という感じで、いわゆる「3分でボルテージ最高潮!」系のスコアとはちょっと違う、クールで抑制の効いた雰囲気。
「モジュラーシンセ+パーカッション+ストリングス」の構成がメインのスコアでした。
ハウシュカもオハロランもピアニストなので、やはりピアノ主題をしっかり聴いて差し上げるべきなのかなと思います。
■ハミングバード(2012)
ジェイソン・ステイサム映画史上、最も切なく悲しいアクションドラマ作品。
音楽はジョー・ライト監督作でお馴染みのダリオ・マリアネッリ。
春にムービープラスでちょくちょく放送していたのでサントラを購入しました。
ワタクシこの映画が好きですし、マリアネッリのサントラもよく買っているのですが、
劇場公開当時にサントラリリースの情報が全然耳に入ってこなくて、「あー、これはサントラが出ないタイプの映画なんだな…」と諦めていたのですね。
ところがムービープラスでの放送を機にネットで調べてみたら、何とデジタルダウンロード版でサントラが出ていて、日本のショップ(amazonとか)でも購入可能になっていることを知り、遅ればせながらサントラを買った次第です。
ストリングスによる哀愁の旋律が印象的な、気品溢れるスコア。
それでいて随所にヘヴィな打ち込みのリズムを使っていて、音楽にモダンな雰囲気とステイサム映画らしい躍動感(?)をもたらしています。
マリアネッリは同じステイサム主演作『ワイルド・カード』(15)の音楽も担当していたのですが、個人的にはあの映画はイマイチだった印象があります。
やはり『ハミングバード』のスティーヴン・ナイトは優れた脚本家・演出家ということなのでしょう。マリアネッリの音楽を聴いているだけで、映画本編の悲しいドラマが脳裏をかすめて泣けてきます。
■ANON アノン(2018)
これも一時期ムービープラスで夜中にちょくちょく放送していたので、映画を観たあとサントラを買った作品です。
音楽は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)、『アントマン』(15)のクリストフ・ベック。
近年のベックは、コメディ映画からアクション大作までジャンル不問の活躍を続けていますが、今回の『ANON』では本格的なアンビエント/エレクトロニカ系スコアを聴かせてくれていました。これがなかなかイイのです。クリフ・マルティネスの音楽が好きなリスナーに興味を持ってもらえそうな感じ。
ベックは同じアンドリュー・ニコル監督作の『ドローン・オブ・ウォー』(14)でもアンビエントスコアを作曲していましたが、『ANON』ではよりSF的な方向にシフトしたスコアに仕上がっていました。
こうして見ると、サントラリリース情報を見落としていた作品も、良質なものがいろいろありますね。。