あのテーマ曲も使ってます!『アダムス・ファミリー』サントラ盤でマイケル・ダナ&ジェフ・ダナ兄弟にロングインタビューを行いました。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、CGアニメ映画『アダムス・ファミリー』(19)のサントラ盤に音楽解説を書かせて頂きました。
音楽担当は弊社リリース作品「ケルティック・ロマンス」のマイケル・ダナ&ジェフ・ダナ。

ダナ兄弟とのお付き合いはもう10年以上になるのですが、ワタクシが彼らのサントラの日本盤に音楽解説を書くことになると、すごく喜んで下さるんですよね。。
そしてインタビューにも快く応じて下さる。
『アーロと少年』(15)や『コウノトリ大作戦!』(16)の時もそうでした。

昨年彼らとやり取りした時に「『2分の1の魔法』(20)の音楽解説の仕事が来るといいね」と言われていたのですが、残念ながらこちらの仕事は当方に回って来ませんでした。。ピクサー映画のダナ兄弟作品ということで、『アーロと少年』の音楽解説で実績があったはずなんですが。
新型コロナウイルスの蔓延が始まって、世の中が特に混乱していた時期だったので、先方も忘れていたのでしょう、たぶん。

そんな中、ランブリングさんが『アダムス・ファミリー』のお仕事を当方に発注して下さったので、マイケルさんとジェフさんにご報告したところ「よかったね!」と言われまして、今回も「知りたいことがあったら何でも聞いてくれ」ということで、快くインタビューに応じて下さったのでした。

ダナ兄弟からは差込解説書の紙面に収まりきらないくらいの回答を頂いたのですが、何とか翻訳を工夫して、彼らから頂いたコメントを全部載せました。
今回の『アダムス・ファミリー』の音楽については、拙稿のダナ兄弟のコメントを読んで頂ければ、コンセプトがほぼ全てご理解頂けると思います。

映画をご鑑賞後は、是非国内盤サントラを手に取って頂ければと思います。

『アダムス・ファミリー』オリジナル・サウンドトラック(amazon)
『アダムス・ファミリー』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)

『アダムス・ファミリー』の音楽については後日BANGER!!!でもご紹介予定なので、ここでは差込解説書で書けなかったことなどを少々補足したいと思います。

今回の『アダムス・ファミリー』のスコアは、東ヨーロッパの音楽の要素を取り入れているのがポイントです。
これはダナ兄弟がインタビューでも語っていたのですが、東ヨーロッパの音楽はアダムス一家のルーツを示唆する役割を果たしていると。
映画の冒頭で、アダムス一家が故郷を追い出されてアメリカへ移住するエピソードが描かれていますが、彼らの故郷がどこの国か明示されていなくても、東欧テイストのスコアが流れることによって「ああ、あれは東ヨーロッパの地方の町なんだな」ということが何となく分かる仕組みになっている。
そんなアダムス一家を象徴する音楽と、「住人総フツー化計画」を企むマーゴのテーマの”白々しいほど爽やかな音楽”を対比させることで、アダムス一家の「異質さ」が際立つ音楽設計になっているんですね。

マイケルさんもジェフさんもワールドミュージックに造詣が深い作曲家なので、『アダムス・ファミリー』は彼らの持ち味が発揮されたスコアと言えるでしょう。

また、今回の楽曲は1曲あたりの演奏時間が非常に短いのですが、各キャラクターのテーマ曲やモティーフなどはしっかりしていて、映画の中で何度か流れるうちに「これはウェンズデーのテーマだな」とか、「これがメインテーマだな」とすぐに認識出来る感じです。


そしてもちろん「♪ダラララッ(パチッ・パチッ)、ダラララッ(パチッ・パチッ)、ダラララッ、ダラララッ、ダラララッ(パチッ・パチッ)」…というヴィック・ミジーのあのテーマ曲も、出し惜しみせずバッチリ使ってます。映画のラストではボーカルバージョンも(原語歌詞&対訳つきで)流れます。最高じゃあないか。。

ちなみに差込解説書では、マイケルさんの好きな『アダムス・ファミリー』のキャラクターについて聞いてみましたが、ワタクシ的にはあらゆるジャンルを弾きこなす、鍵盤楽器奏者兼執事のラーチに惚れました。

『アダムス・ファミリー』オリジナル・サウンドトラック
音楽:マイケル・ダナ&ジェフ・ダナ
発売・販売元:Rambling Records, Inc.
発売日:2020/09/25
品番:RBCP-3382
価格:2,400円(税抜)

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