2020年ごく私的サントラベスト10

今年はコロナ禍ゆえ、1月中旬に『フォードVSフェラーリ』(19)を観たのを最後に映画館へ行かない生活に入ってしまったので、新作映画の鑑賞本数はいつもの半分以下になってしまいました。

前回のブログにも書いたことですが、学生時代に映画館でインフルをうつされて1ヶ月半近く死ぬほどツラい目に遭ったので、こういう強力な感染症が流行っている時は、とても映画館に行く気になれないんですね。。

まぁそれでもネットフリックスやAmazonプライム、Apple TV+、オンライン試写、DVDレンタルなどでいろいろ観たので、普段よりちょっと気分が乗ってこないものの、その中でごく私的なサントラベスト10を選んでみました。

世の中がこういう状況なので、今年のチョイスの条件は

  1. 今年何らかの形で”初めて観た”映画(数年前にDVDリリースされた映画や、試写で観た来年公開の映画も含む)
  2. 実際にお金を出して買ったサントラ

…ということにさせて頂きました。

  1. グレイハウンド

詳細はBANGER!!!コラムと以前のブログをご参照下さい。

Uボートの不気味さと緊張感を増幅させる音楽! トム・ハンクス主演最新作『グレイハウンド』の作曲家が語る | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/43397/
「潜水艦/海戦アクション映画のサントラはハズレなし」の法則は『グレイハウンド』にも当てはまるというお話。
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10712


「『ダンケルク』(17)系のシブいスコアでありつつ、メインテーマはメロディック」という戦争映画音楽でした。ブレイク・ニーリーさんにインタビュー出来たので、思い出深い作品となりました。

  1. アダムス・ファミリー

こちらも詳細はBANGER!!!コラムと以前のブログをご参照下さい。

あのテーマ曲も健在! 長編CGアニメ化『アダムス・ファミリー』の音楽世界 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/anime/44542/
あのテーマ曲も使ってます!『アダムス・ファミリー』サントラ盤でマイケル・ダナ&ジェフ・ダナ兄弟にロングインタビューを行いました。
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10675


『アーロと少年』(15)以来、久々にマイケル・ダナ&ジェフ・ダナ兄弟にインタビュー出来たので嬉しかった作品。ダナ兄弟らしいワールドミュージックの要素を取り入れたアニメ劇伴でした。今後製作されるという続編も、ダナ兄弟再登板となるのでしょうか。

  1. 秘密への招待状

こちらは2021年2月公開なのですが、ランブリング・レコーズさんのご依頼でサントラ盤に音楽解説を書かせて頂いたので、一足先に試写で拝見させて頂きました。
この音楽解説でもマイケル・ダナさんにインタビュー出来たので嬉しかったです。ダナさんのスコアのほかに、劇中で使われた歌曲も3つ収録。

  1. ランボー ラスト・ブラッド

これもBANGER!!!コラムと以前のブログで詳しく書いてしまったので、そちらをご覧下さい。

ランボーの怒りと哀しみを勇壮な音楽で描き出す! シリーズ最新作『ランボー ラスト・ブラッド』 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/35401/
祝!『ランボー ラスト・ブラッド』劇場公開! 『ランボー』シリーズのサントラ盤を一挙ご紹介
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10507


『ランボー 最後の戦場』(08)のブライアン・タイラーが続投ということで、音楽(テーマ曲)もスタイルが継承されていて、ゴールドスミスのテーマ曲も活用しつつ、タイラーが完全にシリーズの音楽をモノにした感じかなと思いました。

  1. キング・オブ・シーヴズ

こちらも2021年1月公開の映画なのですが、BANGER!!!で音楽コラムを書くことになったので、一足先に試写で拝見させて頂いた作品。

以前のブログでも書きましたが、ベンジャミン・ウォルフィッシュのジャズスコアが最高です。

なおジェイミー・カラムのエンディングテーマ”The Man”は未収録なので、こちらは別途配信でお買い求め下さいということで。

  1. TENET テネット

先日買ったばかりでサラッと聴いただけなのですが、ジマーさんではない、ルドウィグ・ゴランソンの”こういうノーラン映画音楽”も面白いなと。映画館での鑑賞は断念したので、今度ブルーレイで観ます。

  1. ドミノ 復讐の咆哮

デ・パルマ本人は映画の出来に満足していないようですが、デパルマニア的には、2020年になってデ・パルマとピノ・ドナッジオの新作が観られるだけで満足なのです。詳しくはBANGER!!!コラムと以前のブログにて。

巨匠ブライアン・デ・パルマ監督最新作! 職人芸の映像テクニックとサスペンスフルな音楽『ドミノ 復讐の咆哮』 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/27829/
ピノ・ドナッジオの新作サントラを聴けることにも意義がある――『ドミノ 復讐の咆哮』
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10368

  1. Away

「全部一人で作ってここまでのクオリティが出せるのか…!」と感銘を受けた作品。
音楽も監督一人で作っているわけですが、チープな感じが全くしないんですね。
4音、あるいは3音の反復フレーズを使ったミニマルな音楽が深遠でいい感じです。
劇場限定でサントラ盤の販売があるようですが、ダウンロード版でもリリースされているので、ワタクシのように映画館に行けない方は配信で入手して頂ければと思います。
以前のブログでご紹介しています。

ラトビアのアニメーション映画『Away』のサウンドトラックアルバムがちゃんとリリースされている件
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10789

  1. ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(ソングコンピアルバム)

スコアアルバムとコンピアルバムが出てますが、コンピアルバムの内容が思った以上に面白かったのでこちらをチョイス。
ワイルド・スタリオンズ名義の曲が2つ入っているところが素晴らしい。
アルバムの詳細はBANGER!!!コラムと以前のブログにて。

グラミー賞ノミネート!『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』 ワイルド・スタリオンズの“エクセレントな”楽曲たち | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/49269/
『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』はちゃんとサントラが2種類リリースになってます。ファンなら買い。
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10724

  1. ワイルド・ウエスト 復讐のバラード

個人的に今年一番の掘り出し物…というか、「こんな見応えのある映画だったのか!」と感動したのがこれ。
最初はビル・プルマン主演作ということでDVDを借りて観てみたのですが、「周囲からグズ扱いされていた男が、殺された親友(というか恩人?)の復讐の旅に出る」という男泣き必至の熱いドラマでした。
ジム・カヴィーゼル、ピーター・フォンダ、トミー・フラナガン、ジョー・アンダーソン、キャシー・ベイカーら演技派・個性派が揃った共演陣の演技もイイ。

音楽担当はH・スコット・サリーナス。
実話(伝記)映画『プライベート・ウォー』はドキュメンタリー映画っぽい地味なスコアでしたが、この映画では「レフティのテーマ」で泣きのメロディを聴かせてくれます。
マルコ・ベルトラミの『3時10分 決断のとき』系のサウンドなんですが、こちらのほうがより哀愁を感じさせる曲調かなと。

そしてマイア・ウィンが歌うエンディングテーマ(サントラにも収録)がすごくよかった。ストンプのリズムに乗せて、愁いを帯びた歌声が流れる構成が最高です。

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