ランブリング・レコーズ様のご依頼で、5/28公開の映画『アオラレ』(20)のサントラ盤に音楽解説を書かせて頂きました。
音楽担当は『エンド・オブ・ステイツ』(19)のデヴィッド・バックリー。
Angel Has Fallen (Original Motion Picture Soundtrack)
ワタクシはこの方がハリー・グレッグソン=ウィリアムズのもとで下積みしていた頃から音楽を聴いていて、初めてバックリーの名前を確認したのはHGWの『ナンバー23』(07)でした。
その後HGWとバックリーの共同名義でスコア作曲を担当した『ザ・タウン』(10)を経て、『パリより愛をこめて』(10)で初めてバックリー単独名義の作品を聴いたという流れになります(『ドラゴン・キングダム』(08)でバックリーの名前を知ったリスナーも多いと思いますが)。
From Paris with Love (Original Motion Picture Soundtrack)
そんなわけで、機会があったらバックリーさんには是非一度インタビューしてみたいなとずっと考えていたので、今回の『アオラレ』でバックリーさんご本人に詳しく話を聞くことが出来て大変嬉しかったです。
彼のコメントはBANGER!!!のコラム(下記参照)で少しだけ引用してますが、是非国内盤サントラの差込解説書にて全文をご覧頂きたいなと思います。
ラッセル・クロウがブチギレあおり運転!『アオラレ』は音楽でも“怒り”をあおり立てるサイコスリラー
https://www.banger.jp/movie/57600/
BANGER!!!のコラムでも書いたとおり、『アオラレ』の音楽はシンセ主体のメロディレスなエレクトロニック・スコアでして、こういう音楽はとかく「場当たり的なスコア」とか「メロディが印象に残らないアンダースコア」と言われがちなのですが、それは監督や作曲家がコンセプトに基づいてそういう音楽を(この映画のために)書いたわけで、バックリーが「メロディを前面に打ち出した音楽が書けない」というわけでは決してありません。『パピヨン』(17)などのスコアを聴くと、むしろ本来はそういう音楽を得意としているのではないかとも思えるほどでして。
Papillon (Original Score Soundtrack)
そして日本ではまず『アオラレ』が5/28に公開になって、
翌週に『グリーンランド -地球最後の2日間-』(20)が公開になり、
その次の週には『Mr.ノーバディ』(21)が公開になるんですね。
で、これらのスコアの作曲を全部デヴィッド・バックリーが手掛けているのです。
だからこれらの映画をイッキ観して、
サントラをまとめて聴いてみれば、
バックリーの幅広い音楽のスタイルがお分かり頂けるのではないかなと思います。
Greenland (Original Motion Picture Soundtrack)
Nobody (Music From The Motion Picture)
ちなみに『アオラレ』ですが、トレント・レズナー&アッティカス・ロスのインダストリアル・テクノ系スコアに仕上がっていて、メロディで聴かせるタイプの音楽ではないものの、何度か聴いているとだんだんハマってくる感じですね。
じっくり集中して聴くより、リピート再生で漫然と聴いているほうがサウンドの面白さが分かると思う。ワタクシはこういうスコア、結構好きです。
『アオラレ』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)
『アオラレ』オリジナル・サウンドトラック
音楽:デヴィッド・バックリー
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-3398
価格:2,640円(税込)
発売予定日:2021年5月29日