まずは劇場公開時に発売になったサントラ盤。これはバーバーの「アダージョ」を2バージョンと、ジョルジュ・ドルリューのスコア”Barnes Shoots Elias”、そして往年の歌モノを収録したコンピ盤…なのですが、「PLATOON Original Motion Picture Soundtrack and Songs From The Era」という記述があるとおり、映画本編で使われない当時のヒット曲を収録したインスパイア盤的側面もあるサントラだったのでした。 そして”Adagio For Strings”にはチャーリー・シーンのラストのナレーションが入っている。 自分のように「音楽(劇伴)をじっくり聴きたいリスナー」にはいささか中途半端なサントラ盤でした。
その次に1999年にPrometheusから発売になったのが、同じドルリューがスコア作曲を手掛けた『サルバドル 遙かなる日々』(86)とのカップリングという形式のスコアアルバム。 『サルバドル』から12曲、『プラトーン』から本編未使用のスコアを含む8曲を収録しています。ドルリューの『プラトーン』のスコアを聴けるのはこのアルバムだけ、という状況が長く続いておりました。 しかしこのアルバムをもってしても、チャーリー・シーンのナレーション抜きの”Adagio For Strings”を聴くことは出来なかった。
そして2018年に、Quartet Recordsから真打ち登場とも言える拡張版スコアアルバムが1,000枚限定リリースになりました。 映画本編で使われたスコア、未使用のスコア、別バージョンのスコアなどを合計26曲収録。このアルバムで遂にオーケストラ演奏のみの”Adagio For Strings”を聴くことが出来たのでした。この日をどんなに待ち続けたことか…(ちなみにナレーション入りの同曲も26曲目に収録してます)。 ブックレットに載っていた「ドルリューが作曲したテーマ曲が使われず、バーバーの”アダージョ”が使われることになった経緯」の話も実に興味深いものがありました。
そんなわけで、今回の拡張版サントラ作りは、Quratet盤の『プラトーン』のスコアアルバムに、コンピ盤からスモーキー・ロビンソンの”Track of My Tears”とマール・ハガードの”OKie From Muskogee”、ジェファーソン・エアプレインの”White Rabbit”を付け足して作業終了。比較的楽な作業でした。