La-La Land Recordsから発売になった『007/トゥモロー・ネバー・ダイ(97)の2枚組拡張盤サントラを買いました。
昨年の12月30日に発送の連絡が来たので、届くのは年明けかなと思っていたのですが、何と大晦日の午後に当方の手元に届きました。
28日くらいにはどこの会社も仕事納めになっていたし、大晦日ともなれば、さすがに運送関係の人たちも休んだり仕事をセーブしたりするだろうなと思っていたので驚きました。それと同時に、年末ギリギリまでお仕事されている配達の方をねぎらって差し上げたくて、ちょっとした御礼の品をお渡ししました。配達担当の方も喜んで下さったので、当方の謝意は伝わったと願う次第です。
007 トゥモロー・ネバー・ダイ(公開25周年記念 リマスター完全盤2枚組)世界5000枚限定盤 [輸入盤国内品番](amazon)
オリジナル・サウンドトラック 007 トゥモロー・ネバー・ダイ(公開25周年記念 リマスター完全盤)<限定盤> – TOWER RECORDS
閑話休題。
『トゥモロー・ネバー・ダイ』は映画の公開当時A&Mからサントラ盤(以下”通常盤”と表記)が発売になったものの、強行スケジュールで発売したせいか、物語後半のデヴィッド・アーノルドのスコアが未収録という不完全な内容でした。
その2年後、Chapter III Recordsからアーノルドのスコアを18曲(+アーノルドへのインタビュー音声11分)を収録した拡張盤(以下”Chapter III盤”と表記)が発売になりました。こちらはVolcano Recordsから国内盤も出てました。
通常盤はアーノルドのスコアが半分くらいしか収録されていないけれども、シェリル・クロウの主題歌とk.d.ラングのエンディングテーマ(当初はこちらが主題歌になる予定だったのはつとに有名)を収録している。
一方Chapter III盤は映画後半のアーノルドのスコアを収録しているけれども、おそらく権利関係の都合で主題歌が未収録。どちらも一長一短があるサントラでした。
ワタクシは当時Chapter III盤を買っていたのですが、東日本大震災の時に棚からCDの雪崩が起きた際、何枚かのサントラ盤の盤面に致命的な傷が入って再生不能になり、その中の一枚にこのChapter III盤がありました。
音源をウォークマンに取り込んでいなかったので、『トゥモロー・ネバー・ダイ』のアーノルドのスコアが聴けないという状況が10年以上続いておりました。
Chapter III Recordsは小さいレーベルだったようで、プレス枚数もそれほど多くなかったと見えて、中古CDショップなどでも全然サントラを見かけなかったんですよね…。
そんな出来事から11年、再びアーノルドの『トゥモロー・ネバー・ダイ』のスコアをフルに楽しめるようになりました…。
La-La Land Recordsの拡張盤は豊富な情報量のライナーノーツ(当然英語)を読むのも楽しみの一つですが、ワタクシがBANGER!!!のコラムで書いた「アーノルドがジョン・バリーから”お墨付き”をもらった件」も詳しく書いてありました。
巨匠のお墨付き! テクノ系「次世代型『007』音楽」を確立した作曲家デヴィッド・アーノルド|https://www.banger.jp/movie/36451/
ワタクシも上記のコラムで書きましたが、歴代007主題歌のカヴァー曲をコンパイルしたアーノルドのアルバム「Shaken and Stirred」が業界関係者へ与えた影響力はすごかったようです。あのアルバムを聴いたバリーや映画プロデューサー(バーバラ・ブロッコリほか)は皆アーノルドの音楽を気に入ったらしい。
BMWのカーアクションシーンのテンプトラックに、同アルバム収録の『女王陛下の007』(69)のプロペラヘッズによるリミックス曲を使ったとも書いてありました。だから『トゥモロー・ネバー・ダイ』本編のスコア”Backseat Driver”にもプロペラヘッズが参加してたんですね。
『トゥモロー・ネバー・ダイ』のアーノルドのスコアは”Modern Old-school”といった感じで、ジョン・バリーの意匠にアーノルドなりの解釈を加えて再構築したサウンドでした。
『ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99)と『ダイ・アナザー・デイ』(02)の頃になると、アーノルドの個性がより前面に出るようになるのですが、コアな007ファンの中には、そうなる前の”ジョン・バリー・リスペクト”色が強い『トゥモロー・ネバー・ダイ』のスコアのほうが好きな人も多いのだとか。何だか分かる気もします。