少し前の話になりますが、Varese Sarabande CD CLUBから2,000枚限定でリリースになった『タイムマシン』(02)のデラックス・エディションのサントラ盤を購入しました。購入金額は7,000円台だったかな…。このシリーズはお値段が高めです。
The Time Machine (Deluxe Edition) – TOWER RECORDS
幸いデジタル版でもデラックス・エディションが購入可能なので、CDプレス盤にこだわらなければ2,500円でデジタル版を購入して頂くという手もあります。
The Time Machine (Original Motion Picture Soundtrack / Deluxe Edition) – amazon music
ワタクシはランブリング・レコーズさんがサウンドトラック Rare25で通常盤サントラを再販した時、差込解説書に音楽解説を書かせて頂きました。
通常盤サントラもデジタル版が出ているので、バデルトのスコアをサクッと聴きたいという場合は1,500円のこちらを購入して頂くとよいかもしれません。
The Time Machine (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music
その前(劇場公開当時)からこの映画が好きだったし、クラウス・バデルトの音楽もすごくよかったので、10数年の間に何度聴いたか分からないくらい通常盤を聴いていました。その経験が差込解説書の原稿を書くときにも大いに役立ってくれました。
デラックス盤(拡張盤)が出るとなったらこれはもう買うしかないでしょうということで即購入に踏み切った次第です。
そんなわけでデラックス・エディションの雑感です。
今回のデラックス盤は全23曲で収録時間は76分くらい。
一方、通常盤は全15曲で収録時間は57分くらい。
こうして比較してみると、通常盤はお値段2,000円前後でスコアを57分収録していたのだから、結構充実感のあるサントラだったのだなと思いました(当時のスコア盤は30分台や40分台が多かった)。ちなみにデラックス盤は一部の曲タイトルに変更が加えられています。
ジャケ裏のクレジットを見て、ジェフ・ザネリが”Morlocks Attack”をバデルトと共同作曲していることがこの歳になってやっと分かりました。
通常盤のクレジットだと”Additional Music by Geoff Zanelli”としか書かれていなかったので、具体的にどのスコアの作曲に携わっていたのか分からなかったのです。
それにしても『タイムマシン』のバデルトの音楽は素晴らしい。
まずメインテーマのメロディがとても美しい。そしてメインテーマやその他のモティーフのバリエーションをスコアの中でしっかり聴かせてくれる。正統派「SF”ロマン”音楽」と言えるでしょう。
アレクサンダーが意を決して未来へ向かうシーンのヒロイックなメロディや、モーロック族との戦いのシーンの骨太なアクションスコアも迫力があります。
2000年代前半は、アクション映画やSF映画でこういう”ロマン”を感じさせてくれる音楽がたくさん聴ける最後の時代だったのかもしれません。
その後は映画のリアル志向が進むにつれて、劇伴も「メロディ抑えめ」になる流れになり、ヒーロー映画が主流になってからは『タイムマシン』のような”優美さ”とも少し違う路線のドラマティックな音楽(活劇テイストと言うかエピック的と言うべきか)が書かれるようになった。これも時代の流れでしょうか。
バデルトがリモート・コントロール・プロダクションズから独立してから、いまひとつ作品に恵まれなくなったのもつらい。
個人的には『リベリオン』(02)、『タイムマシン』、『リクルート』(03)の音楽を担当していた頃のバデルトさんが一番輝いていた気がします(『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(02)は基本的にジマーさんの音楽なので、バデルトの作品とは言いがたい)。
サントラリリースの機会も減ってきた中、『リクルート』と『タイムマシン』、『フェリシーと夢のトウシューズ』(16)でバデルト作品の音楽解説を書けた自分は幸運だったとも思います。
日本国内にガン=カタの教えを広めた『リベリオン』はスコア盤のリリースが待たれますが、低予算のインディペンデント映画ですし、カルト的な人気とは対照的に興行成績はイマイチだったみたいなので難しいかな…。