で、先にサントラを聴いて映画本編を観たら、劇中で使われていない曲がいくつもあったのでした。 「え? これインスパイア盤だったの?」と思ってサントラ盤をよく見てみると、「MUSIC FROM THE MOTION PICTURE」ではなく「MUSIC FOR THE MOTION PICTURE」と意味深長なことが書いてある。
その結果、Banco de Gaiaの”Drippy”, Orbitalの”P.E.T.R.O.L.”, Autechreの”Kalpol Intro.”, Spacetime Continuumの”A Low Frequency Inversion Field”, Massive Attackの”Angel”が何とか使えたと(劇中ではテクノ系ではない既製曲も数曲使われていた模様)。マッシヴ・アタックの”Angel”は本当に映画のサウンドトラックで使われる機会が多いですね。
で、久々に本編DVDを観直してエンドクレジットも確認しましたが、サントラに収録されているエイフェックス・ツインの”Bucephalus Bouncing Ball”, ロニ・サイズの”Watching Windows”, デヴィッド・ホルムズの”No Man’s Land”, GUS GUSの”Anthem”, Psilonautの”Third From the Sun”は映画では使われなかったと。
…とまあこういう経緯があったので、『π』のサントラ盤はインスパイア盤というよりも、「映画の中で使った曲」と「お金に余裕があったら映画の中で使いたかった曲」を収録したアルバムだったのではないかなと思うのです。それがMUSIC “FOR” THE MOTION PICTUREという記述に現れているのかなと。
なお既製曲が使えなかったパートは、結局マンセルがスコアを書き下ろすことになりました。 サントラ盤に収録しているのは、オープニングタイトル曲の”πr2″とエンドクレジット曲の”2πr”、株屋マフィアっぽい謎組織の女ボスのセリフをサンプリングしたスコア”We Got The Gun”の3曲。劇中ではほかにもマンセルのスコアが使われていたので、デジタルEPでもいいからマンセルのスコアアルバムを出してほしいものです。