『地獄の7人』のQuartet Records盤サントラを購入した話

先週、某ショップで予約注文していた『地獄の7人』(83)のサントラ盤が届きました。
スコア作曲はジェームズ・ホーナー。

10年くらい前にIntradaからサントラが発売されましたが、当時の自分はこの映画を観る機会に恵まれなかったので購入をスルーしておりました。その後Intrada盤は割とすぐに完売になってしまったらしいです。

数年前にNHK BSシネマで放送があったときにやっと本編を鑑賞できたので、それじゃあこのタイミングでQuartet Recordsから再発売になったサントラ盤も買おうかなと思ったのでした。

Uncommon Valor<限定盤> – TOWER RECORDS

ちなみに今回のQuartet盤はボーナストラックが4曲追加され、収録時間がIntrada盤より12分ほど増えていました。収録時間は64分くらい。レイ・ケネディの歌曲”Brothers In The Night”はQuartet盤にもちゃんと収録しています。

ブックレットの解説を読むと、ホーナーは製作サイドの第一希望作曲家ではなかったらしい。
当初は製作のジョン・ミリアスの盟友ベイジル・ポールドゥリスがスコア作曲を担当する予定だったとのこと。その話が流れて、パラマウントの重役が選んだのがホーナーだったと。
当時売り出し中だったホーナーは、この年に7本くらい映画音楽の仕事を担当していたけれども、まだ戦争映画はやったことがなかった。だから『地獄の7人』は「自分はこういう映画の音楽も書けます」とアピールする絶好の機会でもあったわけです。

この頃はまだハンス・ジマーが広めた「自分の弟子を総動員したチームでの曲作り」は主流になっていなかっただろうから、本当にホーナーが全部自分で曲を書いていたのだと思います。
ホーナーはよく「使い回しのホーナー」と言われていましたが、若い頃にロジャー・コーマンの作品で頭角を現したという経歴や、年に6作とか7作近く映画音楽を作曲する多作ぶりからすれば、自作曲の使いまわしもやむなしといったところでしょうか(クラシックなどの既成楽曲の流用はどうかと思いますが)。

さて『地獄の7人』の音楽ですが、「アメリカの男たちの勇気を讃えよ!」系のたぎるフルオケスコアという感じ。そこに東南アジア的なテイスト(かなり1980年代的)をプラス。ホーナー音楽名物の尺八もしっかり使ってます。演奏者もおなじみのKazu Matsui氏。

この後ホーナーは『コマンドー』(85)や『戦火の勇気』(96)、『スターリングラード』(01)、『ウインドトーカーズ』(02)など戦争アクション映画の音楽をいろいろ担当していくことになりますが、『地獄の7人』はどちらかというと『エイリアン2』(86)の路線の音楽ではないかなという印象です。
スネアドラムが勇ましく鳴り響くサウンドや、金管楽器の鋭い音、メタリックなパーカッションサウンドなど、共通する部分も多い気がします。

こういう愛国的な戦争映画音楽、最近めっきり聴かなくなりましたね。
ある意味、『地獄の7人』は「1980年代のアメリカ」を知る上で資料的価値の高い作品と言えるでしょう。

あ、そういえば『ウインドトーカーズ』もCD4枚組の拡張盤サントラがIntradaから出ていたっけ…。あれも買っておいたほうがいいのかな。高いけど。

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