Intrada盤『バックドラフト』CD2枚組拡張版サウンドトラックアルバムを買いました。

映画音楽愛好家、つまりサントラリスナーにとって今夏の目玉リリースタイトルだったであろう『バックドラフト』(91)の2枚組サウンドトラックアルバムを買いました。

『バックドラフト』完全盤 【輸入盤国内品番】- amazon
『バックドラフト』完全盤 【輸入盤国内品番】- TOWER RECORDS
Backdraft: Original Music From The Motion Picture Soundtrack – TOWER RECORDS

当時Milan Recordsから通常盤サントラが発売されていましたが、ハンス・ジマー好きにもかかわらず、
なぜだか自分はサントラを買っておりませんでした。「どうして買わなかったのかな」と当時の記憶を思い出してみたのですが、まず映画のサントラを買い集めるようになったのが1993年頃からだったので、『バックドラフト』のサントラが店頭から少しずつ姿を消していたような記憶があります。

あとはアレですね、1993年と言えばちょうど『料理の鉄人』の放送が始まった頃だったので、『バックドラフト』の音楽が『料理の鉄人』の曲だー、あの番組の曲だーと話題になっていた頃で、「その話はもういいから…」とうんざりした結果「サントラ買わなくていいや」という気分になったのを思い出しました。あの番組は自分も観ていましたが。
確か再販になったサントラのシュリンク包装の上にも「『料理の鉄人』オープニングテーマ曲”Show Me Your Firetruck”収録」というようなシールが貼ってあったんじゃなかったかな…。

ま、そんな反骨精神旺盛だった学生時代に比べて自分もだいぶ大らかになったので(…というかジマーさんの1990年代の音楽を聴きたくなったので)、今回の拡張盤はすぐさま予約させて頂きました。

Disc1に映画で使われたバージョンの劇伴とボーナストラックを収録して全20曲68分、Disc2にはMilan盤に収録されていた劇伴を復元して収録。ブルース・ホーンズビーの歌曲は未収録なので全8曲30分。

数日前にサントラを聴いて思いました。
「当時の自分はなんてつまらない意地を張っていたんだろう」と…。

『バックドラフト』のスコアを久々にじっくり聴きましたが、ヒロイックで勇壮でとにかく素晴らしい。2010年以降のジマーさんは書かなくなってしまったタイプの、若さ溢れるダイナミックで力強いメロディラインを持った音楽でした。

ブックレットにジマーさんの最新ロングインタビューが載っていたので、音楽のコンセプトや曲作りの過程でのエピソードについてはそちらを読んで頂くとよろしいかと思います。

『バックドラフト』はジマーさんにとって初めての大編成オーケストラを使った作品であり、同時にここまでヒロイックな音楽を書いたのも初めてだったと前述のインタビューで語っていました。ジマーさんが言うには「警官や兵士には”影の部分”(ダークサイド)がある。でも救急隊員や消防士にはそれがない。彼らはただひたすら人々を助けるヒーローだ。だからこれが自分にとって初めて本格的にヒロイックなテーマ曲を書いた作品ということになるんだ」とコメントしていたのが興味深かった。

ちなみに『料理の鉄人』にも少し触れていて、「あの番組のおかげで自分は日本で有名になった」と言ってました。しかしその一方で「あの番組は観ていないんだ。だから自分の料理はヘタなままなんだよ」とも。やはり自分が特定の映画のために書いた曲が別な使われ方をして、それで有名になってしまうというのは音楽家として複雑な気分なのかな…と思いました。

Disc1に収録されたスコアは、Disc2のMilan盤に収録されていたスコアと音色が結構違う感じなので、Milan盤を何度も聴いた方でも新鮮な気持ちで聴けると思います。
ほかの曲は適当に聞き流して”Show Me Your Firetruck”だけ聴くような聴き方は勿体ないですよ。

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