『ディセント』(05)のニール・マーシャル監督待望の新作、遂に日本公開!・・・って事で、
『ドゥームズデイ』(08)を観てきました。
シルバーウィーク期間中はチケットを買う際に、
窓口で「世界の終わり」と言うと1,000円で観られる「お得すぎてすいま千円キャンペーン」を実施中との事で、
ちゃっかり利用させて頂きました。
まー別に窓口で「すいま千円」とダジャレを言うわけではなかったので別にいいかと。
映画の内容はと申しますと、
ひとことで言うとジョン・カーペンターの『ニューヨーク1997』(81)とか『エスケープ・フロム・L.A.』(96)、
あるいは『マッド・マックス』シリーズ、
更に言えば『北斗の拳』的な世界観のイカレ系世紀末B級アクションです。
こういう物語設定、好きな人にはたまらないものがあるのでは(筆者も含む)?
特筆すべきは、舞台となっているのがNYでもLAでもなくイギリスという点。
この手の映画に不可欠なマッドで凶暴なチンピラの皆さんももちろん登場するわけですが、
その外見が何となく70年代のイギリスのパンク・ロッカー風なのが味があってグッド。
音楽も無粋なヘビメタとかデスメタルではなく、
パンク野郎のソルが主催する「地獄のサーカス」のシーンで、
Adam and the Antsの”Dog Eat Dog”とかFine Young Cannibalsの”Good Thing”、
Siouxsie and the Bansheesの”Spellbound”など80年代UKの懐メロが使われてます。
これも洒落た選曲じゃありませんか。
他にもマルコム・マクダウェルが古城に住んでいて、
甲冑姿の部下をはべらせていたり、
物語終盤のカーチェイスで登場する車がベントレーだったり、
随所にイングランド的な要素が出てきます。
そしてエンドクレジットで流れるのはKasabianのClub Foot。
最高すぎて震える。
で、そのカーチェイスのシーンでは、
『マッド・マックス』に登場したようなゴツくてイカれた(イカした?)改造車が本作にもバンバン登場するわけですが、
CGで済ませずに、ゴテゴテした悪趣味な改造車を本当に作ってしまうところがスゴイ。
こういうのを見せられると作り手の熱意のようなものが伝わってきて、
「コイツら本気だな!」と、見ているコチラも熱くなるってもんです。
Frankie Goes to Hollywoodの”Two Tribes”をBGMに過激なスタントで見せる終盤のカーチェイス・シーンは激アツ。
アクション映画ファンは必見でしょう。
ちなみに主人公の女戦士エデン・シンクレアを演じるのは、
『アンダーワールド:ビギンズ』(09)のローナ・ミトラ。
女戦士という設定に「こびやがって」と苦言を呈する、
硬派なスネーク・プリスキン至上主義者の方もいらっしゃるかと思いますが、
これはこれでアリではないかと。
タンクトップ姿で大立ち回りを演じるミトラ姐さん、カッコイイです。
オリジナル・スコアもまたニクい。
作曲は『地球が静止する日』(08)や『ウォッチメン』(09)のタイラー・ベイツなのですが、
『ニューヨーク1997』のような古臭いシンセサイザー音と、
無機質なリズムを使った80年代風のスコアを何曲も書いてます。
アラフォー世代の映画ファンには、何かこうグッと来る音ですな。
サントラ7曲目の”BLOCK 41″とか12曲目の”SWORD FIGHT”などはその最たるものではないかと。
サントラ盤のブックレットに記載されたニール・マーシャル監督のライナーノーツによると、
「80年代初頭に作られた世紀末映画のようなエレクトロニック・スコアと、壮大なオーケストラ・スコアの両方が欲しい」とベイツさんに要求したそうで、
なるほど確かにリクエスト通りのサウンドに仕上がっているなー、と思った次第。
つくづく国内盤がリリースされなかったのが惜しまれます。ライナーノーツ書きたかったなぁ。
決して万人向けの映画じゃないし、
強烈なゴア描写も満載のクセの強い内容ではありますが、
愛だの恋だのと感動を押し売る映画に食傷気味な映画ファンの皆さん(筆者も含む)にはぜひ観て欲しい作品です。
シルバーウィーク期間中は1,000円キャンペーンもやってる事ですしね。
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