遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
正月は日曜洋画劇場で『ダイ・ハード4.0』(07)を観てました。ブルース・ウィリスの吹替えは樋浦勉氏ではなく野沢那智氏。
本編を観ていて改めて思ったのですが、野沢氏のアテレコは歳を取って演技が”濃厚”になってきたような・・・。数日前に『エデンの東』(55)を字幕と吹替えの両方で観たせいかもしれませんが、何かそんな気がした。ま、これはこれで野沢氏の「味」と言うべきか。
それにしてもこのシリーズ、限定空間(=ナカトミビル)で壮絶アクションを繰り広げていた1作目からはずいぶん遠いところに来てしまいました。それでも、今回の4作目のほうが前作『ダイ・ハード3』(95)よりもダイ・ハードらしい映画に仕上がっているような印象を受けました。
それはなぜか?何というか、3作目はあのナゾナゾが緊張感をそいでしまったので、個人的にイマイチ乗り切れなかった。TVで「平成教育委員会」を放送していたのもこの時期だったと思いますが、映画を観に来たのにあの番組を見ているような気になって、ビミョーな気分になったのを覚えています。マクレーンもテンション低かったし(「二日酔い」という設定だから)。
その点4作目は荒唐無稽で1作目の面影が薄くなったとはいえ、マクレーンの悪態は絶好調だし、ムチャクチャなアクションも見応えあるし、料金1,800円(レンタルなら500円前後)払った分はキッチリ楽しませてくれるよなーと思った次第。マクレーンが不死身というのは『ダイ・ハード2』(90)あたりでもうキャラとして確立されてしまったので、続編を見て「ピンチがピンチに見えない」とか「マクレーンが超人になってしまってツマラン」とか思わなくなりました。それより「この状況で生き残るんだからスゲーよなー」とか言いながら、マクレーンの修羅場を見るのが楽しくなってきたぐらいです。
音楽は『3時10分、決断のとき』(07)のマルコ・ベルトラミ。『アンダーワールド』シリーズでレン・ワイズマン監督と組んだ縁で、本作に起用されたというわけです。劇中では派手なアクションと騒々しい音響効果であんまり音楽が印象に残らなかったかもしれませんが、改めてサントラで聴いてみるとなかなか興味深い音楽に仕上がってます。デジタルビートをバキバキ言わせるタイプの音ではなく、普遍的なオーケストラに打楽器をドコドコ鳴らしまくる感じのスコア。
3作目までシリーズ全ての音楽を手掛けてきたマイケル・ケイメンが亡くなったので、作曲もなかなか苦労したらしいのですが、随所でケイメンが作曲した「マクレーンのテーマ」の短いフレーズ(♪たーららーらー・・・というアレ)や特徴的なブラスの和音を活用して「ダイ・ハードらしい音楽」を心がけたそうです。
余談ですが、マルコさんにインタビューした時、日本盤用にメッセージをひと言頼んだら”Yippee Ki Yay!”と書いてよこしました。そのまんまだなー(笑)。この方はよくサントラの曲タイトルで言葉遊びをしているので、根っから面白い人なのでしょう。実際、マルコさんは気さくな感じのいい人ですけども。今年は『The Hurt Locker』(08)が賞レースを賑わせてますが、マルコさんは作曲賞候補にならないのかな? 個人的には音楽も評価されてほしいんですが・・・。
『ダイ・ハード4.0の』サントラ盤はランブリング・レコーズより発売中です。
『ダイ・ハード4.0』オリジナル・サウンドトラック
音楽:マルコ・ベルトラミ
品番:GNCE-3083
定価:2,625円