多分オリジナルのUK版『LIFE ON MARS』が好きな人には評判が悪いんだろうけど、
自分はアメリカのリメイク版『ニューヨーク1973 LIFE ON MARS』が好きで、毎週欠か
さず初回放送を観ております。
だって、あのハーヴェイ・カイテルが鬼警部補ジーン・ハント役でレギュラー出演して
るんだから、こりゃ観るしかないわな。相変わらずコテコテの演技で笑わせてくれるし。
横柄で濃い顔のレイ(『グッドフェローズ』(90)でスパイダー役を演じたマイケル・イン
ペリオリ)、気の弱そうなクリス(ジョナサン・マーフィー)、時折見せる切ない表情が
不条理な出来事に直面した男の悲哀を見事に物語っている主人公サム・タイラー
役のジェイソン・オマラなど、キャラもキャスティングも絶品。ヤクザと紙一重のNY
市警のデカを活き活きと演じてます。2008年と1973年という時代のギャップを
ネタにしたトークも面白い。
「ケータイが要るんだ! (I need my cell!)」
「何を売るって? (You need to sell what)」
なーんてベタなジョークもサラリと決まって最高。やっぱりタイムトラベルものは
未来より過去の方が面白い。
そんな僕の一番のお気に入りは、アニー・ノリス役のグレッチェン・モルなんだなぁ。
NY市警の警察官なんだけど、何しろ男女差別が激しい時代だったので仲間からは
「No Nuts(字幕だと”ネエちゃん”)」と失礼なアダ名で呼ばれて雑用係程度の仕事
しか与えられない。それでもいつか自分は必ず刑事になれると信じて、めげずに
サムの捜査に協力するようになるのですが、それが最高にカワイイ。いわゆる「萌え」
というやつか。
このグレッチェン・モルという女優さんはクラシックなお顔立ちらしく、こういう70年代の
髪型とかファッションが抜群に似合うのです。マイケル・マドセンのガールフレンド役で
出演した『フェイク』(97)も70年代の話だし、『ギター弾きの恋』(99)もレトロな時代の
映画だったし、『死にたいほどの夜』(97)とか『ベティ・ペイジ』(06)もそうでしたな。
マット・デイモンのガールフレンド役の『ラウンダーズ』(98)は現代の話でしたが、ぐるん
ぐるんとカールしたヘアスタイルは現代アメリカらしからぬクラシックな感じだったという
記憶があります。ラッセル・クロウに「昔はさぞ美人だったんだろうな」と褒められた(?)
『3時10分、決断のとき』(07)もよかった(クリスチャン・ベール扮する貧乏農場主の
妻役)。この人が出ているとその映画が観たくなる女優さんの一人です。
ま、インディー映画に出演する事が多いので、全国ロードショー作品でなかなか観ら
れないのがツライところですが、それだけに劇場のスクリーンやDVDで観られた時の
感動もまたひとしおという事で。
そのうちAXNミステリーで「アンコールにお応えして全話一挙放送!」とかやらないかな。
やってくれたら全話録画して保存版にするんだけど。
AXNミステリー内番組HP
http://mystery.co.jp/program/ny1973/