GAMER(音楽について)

gamer

・・・というわけで、長くなってしまった前回の続き。『GAMER』(09)の音楽について。

スコアを作曲したのは、ジェフ・ザネリとロバート・ウィリアムソンの二人。ザネリは『ヒットマン』(07)とか『ディスタービア』(07)の音楽を担当しているリモート・コントロール・プロダクションズ所属の作曲家。ウィリアムソンは『ミッドナイト・ミートトレイン』(08)のスコアを手掛けた作曲家。

さてこの映画のサントラ。何だかネットの掲示板とかを見ていたらすこぶる評判が悪くて、「買って失敗だった」とか「買わなきゃよかった」みたいなコメントがいくつかありました。普通、そういう書き込みを見たらそのサントラを買わないもんですが、僕は「そんなにヒドいのか?」とあえてサントラを購入した物好きです。もっとも、ちょうどタワレコのポイントが貯まっていたので、それを使ってリスクを軽減させましたが。

で、聴いてみた感想ですが、「まぁこんなもんでしょ」という感じ。
ことさら聴いてて腹は立ちませんでした。

スコアの雰囲気を簡単に申し上げるならば、モワっとしたシンセ音とバキバキした打ち込みのリズムを鳴らして、エレキギターをかき鳴らす音楽。テクノとハードロックとパンクロックをゴッチャ混ぜにしたヤミ鍋的スコア。もちろんテーマ曲なんてものはありません。正統派のサントラが好きな人が顔をしかめるタイプの音楽と言えるでしょう。ブックレット記載のクレジットによると、ザネリとテイラー監督がギターを弾いてます。

確かにサントラ単体で聴けば「何じゃこりゃ」なのですが、ネヴェルダイン/テイラー名物のガチャガチャした映像と細かいカット割り、ブン回し系のカメラワークを駆使した(中身カラッポの)映画本編を見てみれば、「ま、こういう音楽しかないよな」と納得してしまうのもまた事実。ポール・ハスリンガーが作曲した『アドレナリン』(06)のスコアもこんな感じだったし。

それを考えると、イカレ系ながらもきちんとテーマ曲を作曲した『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』(09)のマイク・パットンはなかなかやるな、と思ったりして。

サントラにはザネリ/ウィリアムソンのスコアの他に、マリリン・マンソンの”Sweet Dreams (Are Made of This)”(ユーリズミックスのカヴァー)、Bloodhound Gangの”The Bad Touch”、マイケル・C・ホールがクネクネ踊っていたサミー・デイビスJr.の”I’ve Got You Under My Skin”も収録。明らかに最後の1曲だけアルバムから浮いてますが、この変な選曲も、いわゆるひとつのネヴェルダイン/テイラー・クオリティ。

余談ですが、僕が「買わなきゃよかった」と思ったサントラは『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(08)。あれは音楽っつーか効果音でしょ?というスコアが延々続いて萎えた。ちなみに作曲はTOMANDANDY。

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