X-MEN:ファースト・ジェネレーション

x-men

MOVIX仙台が営業再開したので、待ちに待った『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)を観てきた。

これがまた当方の期待以上に素晴らしい作品。
空疎な大作になってしまった『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)の悪夢を吹き飛ばす、見事な前章映画でした。
「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

本作では「チャールズ(プロフェッサーX)とエリック(マグニートー)はいかにして出会い、そして袂を分かつ事になったか」が詳細に描かれるわけですが、これがまた泣ける。パ
ラボラアンテナのシーンで不覚にも目頭が熱くなった次第です。
2人が互いを理解するには、あまりにも育った環境が違いすぎた。
マイケル・ファスベンダーの翳りのある表情が、
エリックの背負った深い哀しみに真実味を持たせてくれていてつい感情移入してしまう。

豪華キャスト(=ミュータント)を出し過ぎて中身が薄っぺらくなった3作目と違い、
今回はキャストも「あまり自己主張の強くない演技派」が揃っていて、
なおかつミュータントの数もムダがなくて非常にいい感じ。
ミュータント・チームが(いい意味で)地味目の顔ぶれなので、
悪役セバスチャン・ショウを憎々しく演じるケヴィン・ベーコンの存在も俄然映えてくる。
1960年代風セレブファッションもキマってます。
エマ・フロスト役のジャニュアリー・ジョーンズも、
よくこれだけイメージにピッタリな女優を見つけたもんだと感心しました。
薄幸そうなローズ・バーンもグッと来る(お色気サービスカットもあり)。

その他、パンフに載っていない気になるキャストの顔ぶれはこんな感じ。

■アメリカ海軍の艦長:マイケル・アイアンサイド(『トータル・リコール』(90)他)
■国防総省のお偉いさん:レイ・ワイズ(『ツイン・ピークス』のリーランド・パーマー)
■ロシア軍将軍:レイド・セルヴェッジア(『セイント』(97)、『スナッチ』(00)他)
■アメリカ軍将軍:ジェームズ・レマー(『ウォリアーズ』(79他)
■ヘンドリー大佐:グレン・モーシャワー(『24 -TWENTY FOUR-』のアーロン・ピアース役)
■CIAエージェント:マット・クレイヴン(『クリムゾン・タイド』(95)、『デジャヴ』(06)他)
■セバスチャンにボコられる名もなきCIA職員:トニー・カラン(『ブレイド2』(02)のプリースト役)

脇役陣も、映画マニアがいちいちチェックを入れたくなるような絶妙なキャスティング。
で、例のアダマンチウムの爪を持つ人がカメオ出演して、
「ちょっぴりオトナになったミスティーク」の姿で”あの人”が一瞬だけ顔を出すという感じ。

スコア作曲はリモート・コントロール組のヘンリー・ジャックマン。
マシュー・ヴォーンと『レイヤー・ケーキ』(04)、『スターダスト』(07)、『キック・アス』(10)で組んだアイラン・エシュケリを起用するかと思ったら、
同じ『キック・アス』に参加した4人の作曲家の中からジャックマンを抜擢。

これまでシリーズの音楽を作曲したマイケル・ケイメンやジョン・オットマン、
ジョン・パウエル、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズに比べると知名度はやや劣るものの、
音楽は恐らくシリーズ最高の出来。
テーマ曲はしっかりしているし、
エレキギターをフィーチャーしたロック風味のスコアもノリがいいし、オケも迫力がある。
鳴らしすぎず控えめすぎず、要所要所で見せ場を盛り上げてくれる良質なスコアでした。
マグニートーのテーマがカッコよくていい感じ。

いやしかし、マシュー・ヴォーンはなかなかの手練ですな。
『レイヤー・ケーキ』のように、今度はアメコミ以外の映画でその演出の手腕を見てみたい気もします。

 

Daryl Hall & John Oates 関連商品 好評発売中!

■Eliot Lewis/ 6 & One
AMAZON
 レーベルショップ
iTunes 6 & One - Eliot Lewis

■Charlie DeChant / Like the Weather
AMAZON
レーベルショップ
 iTunes Like the Weather - Charlie DeChant