ヒラリー・スワンク in 『The Resident』

the resident

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今月は主に年末年始にDVDで見た映画について、なんやかんやと書こうと思います。

というわけで、1発目は『ヒラリー・スワンク / ストーカー』(11)。いきなり日本未公開作です。

邦題が全てを物語っている映画なのですが、ひとことで申しますとヒラリー・スワンク版『硝子の塔』(93)といった感じ。ただし舞台は築60年以上の旧式アパートメントで、ハイテク設備は一切ナシ。犯人捜しを最後まで引っ張った『硝子の塔』と違って、映画開始30分ちょっとでストーカー犯をバラすという大胆な演出に目が点になりましたが、登場人物も少ないので、こういう見せ方もアリかな、と。

「ヒラリー・スワンク演じるヒロインが、アパートのオーナーにストーキングされる」という、まぁ何というか・・・かなり設定にムリのある映画です。スワンクといえば、ストイックな演技派女優ではありますが、決して若い頃のシャロン・ストーンのようなセクシー系ではないわけで。

それでも彼女は女優として一度は「サイコスリラーの美貌のヒロイン役」をやってみたかったのでしょう。そういう役のオファーが来ないなら、自分で企画をモノにしちゃうわよ!」と、主演のみならず製作総指揮も兼任。入浴シーンや生着替えシーンなんかも不必要に頑張ってるし、ストーカー男の役に『P.S. アイラヴユー』(07)で共演して相性がよさそうだったジェフリー・ディーン・モーガンを起用。ハリウッド経験の浅いフィンランド出身の監督を抜擢して(製作総指揮に名を連ねるレニー・ハーリンの推薦か?)、映画製作の全権を掌握・・・とやる気満々です。

こういう裏事情を推測して本編を見ると、サスペンス映画なのについ笑ってしまう。

ヒロインの仕事がERの医者ってのも”いかにも”な感じですが、スワンク念願の企画(多分)でモーガンが気色悪いストーカー男熱演すればするほど、何だか見ていて気の毒になってくる(笑)。まぁ『ウォッチメン』(08)のコメディアン役もイカれた役でしたが。

ちなみに、ストーカー男の祖父役で大御所クリストファー・リーが出演しているのですが、これは本作の製作会社があのハマー・フィルム・プロダクションだから。いわゆる特別出演というやつですね。ドラキュラが住んでるアパートなんて、それだけで入居を躊躇してしまいますが。あと、ヒロインの元カレ役で『プッシング・デイジー 恋するパイメーカー』のリー・ペイスが出てます。

音楽は『アンノウン』(11)、『ユージュアル・サスペクツ』(95)のジョン・オットマン。
手堅い感じのサスペンス・スコアでしたが、オープニング・タイトルの曲が割と印象に残りました(サントラは未発売)。

Daryl Hall & John Oates 関連商品 好評発売中!

■Eliot Lewis/ 6 & One
 AMAZON
 レーベルショップ
iTunes 6 & One - Eliot Lewis

■Charlie DeChant / Like the Weather
 AMAZON
 レーベルショップ
 iTunes Like the Weather - Charlie DeChant