ハーヴェイ・カイテル 銃撃のレクイエム

the ministers

またもや日本劇場未公開作ですが、ハーヴェイ・カイテルの主演作が見られるぜーって事で『ハーヴェイ・カイテル 銃撃のレクイエム』(09:原題『The Ministers』)のDVDを鑑賞。

結論から申しますと、カイテルは(出番は多いけど)主演ではありませんでした。
まぁ「メジャーな俳優の助演作品をいかにも主演作のように装う」ってのはこのテのDVDスルー作品にはよくある話ですけども。

子供の頃に警官だった父親を殺された少女セレステが成人して刑事になり、父親の相棒だったベテラン刑事のブルーノ(カイテル)と共に真犯人を追いかける・・・というストーリーなのですが、実質的な主演はセレステの父親殺しに関与した敬虔なクリスチャン兄弟、ダンテとペルフェクトを演じたジョン・レグイザモ。一人二役を演じているほか、この映画の共同製作も手掛けてます。

この双子のクリスチャン兄弟というのが「法で裁けぬ悪党を神の名の下に処刑する」というキャラでして、映画好きなら「どこかで見たようなキャラ設定なんだけど・・・」と思うはず。

で思ったんですが、多分レグイザモは『処刑人』(99)のマクマナス兄弟みたいな役を演じてみたかったのでしょう。製作も兼任してるぐらいだし。屈折した信仰心を持った兄と、信心深くて誠実な弟の2役を自分で演じてしまうほどですから、役に対する思い入れも相当強いと思われます。

レグイザモは以前も『カリートの道』(93)に憧れて、「俺もカリートみたいな役が演じたいぜぇ!」とばかりに製作と主演を兼任して『Empire』(02:邦題『ドラッグ・ディーラー 仁義なき賭け』)という映画を作った事がありましたが、これもB級ながら意外に見応えのある映画でした。レグイザモのプロデュース映画は、日本未公開作でも結構掘り出し物が多いです。

・・・と、ここまで書いて調べてみたら、『Empire』と『銃撃のレクイエム』は監督が同じフランク・レイエスじゃありませんか。なるほど、気の合う仲間同士で作った入魂の一作というわけか。

そんなわけで、今回の映画もB級ながら割とよく出来てます(父親殺しの真相もひと捻りあるし)。ハーヴェイ・カイテルもあの”濃い”演技が健在だったし、見た目もほぼ『ニューヨーク1973 LIFE ON MARS』のジーン・ハントと同じだったので、個人的には楽しんで本編を観る事が出来ました。

いやーしかし劇場未公開作でアタリを引くと、すごく得した気分になりますなー。
今度は何を借りてみようかしら。

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