ヴァンパイア映画だけに夜のシーンとか屋内の暗いシーンが多そうだったので、3Dでなくあえて2D上映の回の『フライトナイト/恐怖の夜』(11)を鑑賞。
3Dメガネをかけると3割増しくらいで画面が暗くなるので、この選択は正解だったと思います。
オリジナル版は去年WOWOWで放送したやつを観ましたが、特に映画に思い入れがあったわけでもなく、「まぁ普通かなー」という印象でした。で、オリジナルでクリス・サランドンが演じたジェリー(ヴァンパイア)を今回はコリン・ファレルが演じているのですが、この人選がドンピシャ。コリンはこういうワイルドで傍若無人なキャラクターが最高にハマる。「チャーリー(アントン・イェルチン)が大人になるために乗り越えなくてはいけない障壁」としては申し分ない存在感と言えるでしょう。のび太に対するジャイアンみたいなもんです。
他のキャストもいい顔ぶれが揃ってます。個人的には自称「ヴァンパイアの権威」のベガスのマジシャン、ピーター・ヴィンセントを演じたデヴィッド・テナントがツボでした(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)のバーティ・クラウチJr.の人)。「レザーパンツは通気性が悪くてたまらねぇぜ」とか言いながら股間をボリボリ掻くところとか苦笑必至。
あと、チャーリーのガールフレンドで高校のアイドル(?)、エイミーを演じた「イモたん」ことイモジェン・プーツが可愛かった。いやマジで可愛いです。『28週後…』(07)もよかったけど。この映画、ジェリーに喰われるダンサーとか、ピーターのゴスな女性アシスタントとか、脇役の女優も結構キレイどころ(ちと個性は強いが)を揃えてます。
クリストファー・ミンツ=プラッセ演じるオタ高校生のエドもいい味出してました。元オタ仲間のチャーリーに縁を切りたがられていて、単独行動を取った結果あんな事になってしまって、しまいにはチャーリーから名実共に引導を渡される悲惨なキャラ。あれはちょっとビターな展開で泣けた。監督が『ラースと、その彼女』(07)、『Mr.ウッドコック 史上最悪の体育教師』(07)のクレイグ・ギレスピーなので、オタク青年の描き方にも彼なりのこだわりがあったような気がする。
音楽は『アイアンマン』(08)のラミン・ジャワディ・・・なんですが、これが普段のジャワディともひと味違った感じの音楽で面白かった。いかにも「B級ホラーでござい」というノリのメインテーマを書き下ろしていて、劇中のスコアもテーマ曲のヴァリエーションで展開していく感じ。RC系のコンポーザーでありながら、エレクトリック・チェロがマーティン・ティルマンじゃなかったり、エレクトリック・ヴァイオリンがヒュー・マーシュじゃなかったり、「いつものRC系ミュージシャン」が録音に参加してないのがちょっと新鮮。同じホラーでも『テキサス・チェーンソー』の音楽とかより聞き易いです。メインテーマの”Fright Night”や”How to Kill A Vampire”、”Let’s Kill Something”のスコアがロックっぽくていい感じ。