『スコット・ピルグリム』のハイライト・シーン(・・・というか、一番笑ったシーン)は、何の脈絡もなく”ヴィーガン警察”役でトーマス・ジェーンとクリフトン・コリンズJr.が登場したシーンでした。
黒のタンクトップ姿で大真面目に「ヴィーガン警察だ!」と名乗ったかと思えば、職務を遂行した後「イェーイ!」とか言いながら爽やかにハイタッチして去っていくアホっぷり。多分、あの二人は話の展開も分かってないままカメオ出演したと思われます。素敵すぎ。
ま、それはさておき。
愛とロックとビデオゲームがテーマ(多分)のこの映画、本編で使われた歌モノを収録したコンピ盤(通称”赤盤”)の他に、ナイジェル・ゴッドリッチのオリジナル・スコアその他を収録したスコア盤(通称”青盤”)がひっそりとリリースされてます。ただしダウンロードのみ。
ダウンロードのみとはいえ、これがなかなかのデキ。
コンテンツとしては、
ゴッドリッチのスコア30曲
ダン・ナカムラが書き下ろしたパテルのインドポップス+”NINJA NINJA REVOLUTION”のゲーム音楽
コーネリアスが書き下ろしたカタヤナギ・ツインズとのバトルシーンの曲
コンピ盤未収録だったベックの書き下ろし曲2曲
Osymysoのダイアローグ・リミックス曲3曲
・・・の合計38曲で収録時間は65分強。なかなかのボリューム。
映画開始早々、レトロゲーマーのハートを鷲掴みにしたユニバーサル・ロゴのテーマ曲のピコピコPSG音源(風)カヴァーももちろん収録。
しかもブランドン・ラウス扮するトッド・イングラムとの「ベースギター対決」のシーンでベースを弾いているのが、元ジェリーフィッシュのジェイソン・フォークナーと、元メディスンのジャスティン・メルダル・ジョンセンという気合いの入りよう。ゴッドリッチのコネ人脈フル活用です。ドラマーもジョーイ・ワロンカーだし。こういう誰も気にしないような細かい部分にもこだわりまくってるから、製作費が6000万ドルもしたんだろうなぁこの映画。
このスコア・アルバム、収録曲が多いせいかiTunesで2,100円でした。でもデジタル・ブックレットもついてるし、マニアは買って損はないのではないかと(僕は3分悩んだ末に買っちゃいました)。ゴッドリッチのスコアも意外とよく出来てます。
せっかくだから、洋楽好きとしては赤盤・青盤と揃えたいところよねー。