ブロークン 明日死ぬ男

演技派・個性派俳優として認知されているにもかかわらず、ここ数年は素行の悪さが災いしてロクな映画に出ていないトム・サイズモアの主演作。原題は『A Broken Life』(08)。

邦題とDVDパッケージからしてB級・C級映画の危険な臭いがプンプン漂っていたのですが、サイズモアは割と好きな俳優だし、パッケージ裏のあらすじを読んだらちょっと興味が湧いてきたので借りてみました。

サイズモアが演じるのは、世の中に嫌気が差して 明日自殺しようと決意した男・マックス。友人で映画監督志望の青年バド(『インモータルズ 神々の戦い』(11)でアポロを演じていたコーリー・セヴィア)を呼んで、「俺が自殺するまでの1日の行動をビデオに撮影しろ」と命令し、自分の惨めな人生に復讐すべく、自己破壊的・自己破滅的な行動に走るのだが・・・というお話。

トム・サイズモア、全編出ずっぱりで喋る喋る。一般には『プライベート・ライアン』(98)とか『ブラック・ホーク・ダウン』(01)とか『ヒート』(95)の男気系キャラで知られてる人なんだろうけど、この映画のサイズモアは『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)の悪徳デカ・スカグネッティとか『トゥルー・ロマンス』(93)の饒舌デカ(防弾チョッキを着てなくてハチの巣にされた人)、『グランド・セフト・オート バイスシティ』のソニー・フォレッリ系のキレキャラ、喋りまくり系キャラです。

映画が始まって早々、ビデオカメラに向かって不平不満をブチまけまくる。結局言ってる事は「俺は悪くない、悪いのは世の中だ」という内容だったりして、傍から見れば相当イタいオッサンです。イタいオッサンの行動を1時間近く見せられるので、見ていて結構疲れます。

で、そういうオッサンが『フォーリング・ダウン』(93)とか『アドレナリン』(06)の如く他人様に迷惑かけながら破壊の限りを尽くすアクション映画なのかと思ったら、物語が予想外の方向に進んでいってビックリ。ああ、そっちが話の主題だったのかと(詳しくは書きませんが、映画監督志望の青年がポイント)。

いざ映画を見終わってみれば、「結構イイ話じゃない?」って感じでした。「この話、出来すぎじゃね?」というツッコミはヤボってもんです。

スタッフは聞いた事のない名前の人ばっかりでしたが、共演者は割と有名な人が出てます。意味深なホームレス役でヴィング・レイムス、マックスの嫌味な上司役でソウル・ルビネック、ポン引き役でクリス・ホールデン・リード(『THE TUDORS 背徳の王冠』のコンプトン役の人)。

まぁ、C級映画と思って借りた割にはそこそこ楽しめました。
しかしDVDジャケットの写真は内容に偽りあり、な感じですね。

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