『タイタンの逆襲』(12)の劇場公開に合わせて放送された日曜洋画劇場の『タイタンの戦い』(10)、吹替え声優陣の顔ぶれが豪華でなかなか面白かった。
敬称略で申し訳ありませんが、ペルセウス=浪川”リディ少尉”大輔、ゼウス=大塚”ガトー少佐”明夫、ハデス=大塚”ヤザン”芳忠と主要キャストにガンダム系声優が揃っていてまず嬉しくなる。
ドラコ隊長=山路和弘、ソロン=菅生”カーディアス・ビスト”隆之、イクサス=藤原啓治、ケフェウス王=内海賢二、ペルセウスの育ての親スピローズ=麦人など、脇役キャラにも第一線の声優さんを起用している豪華さに感動。グライアイの魔女役に三ツ矢雄二って、これ絶対狙ってキャスティングしてるでしょ?と思った。
そして声優界のリーサル・ウェポン・千葉繁がアブない預言者プロコピオン役で登場して大コーフン。映画の終盤、クラーケンの前にアンドロメダ様を吊して
「ハァデェスゥよ!(←独特な抑揚)王妃をあなたの生け贄に捧げます!ウヘ、ウヒ、ウヒャーッハッハァァーー!!」
・・・とハイテンションなシャウトをカマしてくれました。アジ演説した時のメガネ(『うる星やつら』)とか、『北斗の拳』の次回予告ナレーションのノリ。ちょうどこの時間帯に一部Twitterでも盛り上がってたなー。
DVD版のプロコピオンの吹替えは高木”アルベルト”渉で、こちらはチンケな小悪党」という印象でしたが、千葉繁のプロコピオンは「既にイッちゃってる感じの危険な預言者」という強烈な存在感を発揮しておりました。ある意味ハデスより恐い。
17年ほど前に出版されたとり・みき氏の「吹替え映画大辞典」という本で、千葉繁について
「普通の役者を射程に入れても恐らく彼ほどぶっちぎれた声優はいないわけで、当然”生身の外国人”程度が彼の演技に追いつけるわけもなく、おのずと洋画への登板も少なく・・・(以下略)」
と書いてあったけど、アテレコ経験ゼロのタレントが吹替えて映画の世界観をズタズタにするよりは、千葉氏に持ち味全開で演じてもらった方が中身の濃い日本語吹替えになるんじゃないかなーと思います。
気の早い話ですが、『タイタンの逆襲』を地上波でやる時も是非今回のような配役でお願いしたいと思います。