先日『機動戦士ガンダムUC』エピソード5「黒いユニコーン」のイベント上映を見てきました。
前回の『重力の井戸の底で』が、ナナロク世代が泣いて喜ぶ”旧式MS大集合”的なキャッチーな内容だったのに対し、今回は冒頭8分映像で”掴み”の要素がなかったため、さてどんなもんかなーと思っていたのですが、いざ本編を見てみたら、これが最高に素晴らしかった。
これまでのエピソードよりも人間ドラマが濃密で、クライマックスの展開も胸が熱くなりました。相変わらずオットー艦長もいい味出してます。
ドラマパートについては、書き出したらキリがなくなりそうなので今回は割愛。その代わりと言っては何ですが、アンクシャについて少し書かせて頂きます。
NRX-044 アッシマーの後継機として開発されたというアンクシャ。パッと見「アッシマーの皮を被ったリゼル」的な風体ですが、EP5の予告編でイカす出撃シークエンスとビームサーベル二刀流の姿を披露していて、さてどんな活躍をしてくれるのだろうと思ってみてみたら、ガランシェール隊のギラ・ズールに打ち落とされ、ユニコーンガンダムに峰打ちされ(ついでにビームサーベルも奪われる)、サイコフィールドにはじき飛ばされるなど、全くいい所がありませんでした。
あまりのヘタレっぷりに泣けてきましたが、少し時間が経ってから「多分あれでいいのだろう」と思うようになりました。言い換えれば、あれが「連邦量産機の役割」なのだろう、と。
つまり、福井晴敏氏が言うところの「官僚制による画一化の結晶みたい」なジム系の機体は、ガンダムを差し置いてカッコよく活躍してはいけないのでしょう。アクション映画における「その他大勢の警察・官僚組織」が全くサエないのと同じように。
EP2のリゼル(リディ機とノーム機)、トライスターのジェスタ、エコーズのロト(ジェガン)のように、乗り手の顔や所属部隊の個性が出た機体はそれ相応に活躍の場を与えられるけれども、「その他大勢」扱いの機体はただ粛々とメインキャラの機体の引き立て役に徹するのみ。EP1のスタークジェガンはかなり目立ってたけど、まぁあれは特務仕様の隊長機でしたので。
同じ量産機でも、ザク系は基本的に「反体制側」の機体なので、ジム系に比べるとキャラ(機体)に血が通っているという印象があって、どこか人好きする要素がある。でもジム系にはそれがない。公務員はつらいよ。
そんなわけで、不遇なジム系機体にシンパシーを感じてしまう自分は筋金入りのジムマニア。EP5で活躍皆無だったとしても、HGUCアンクシャを買ってしまうのです。