ジェームズ・パターソンのベストセラー小説の映画化作品、『コレクター』(97)と『スパイダー』(02)でモーガン・フリーマンが演じていたDr.アレックス・クロスのB級サスペンス・シリーズがまさかのリブート。しかも主演がフリーマンからタイラー・ペリーに変わるというこれまた驚きの人選。
この思い切った人選を日本映画で例えるなら、原田芳雄が演じていた役を柳沢慎吾主演でリメイクするようなもんでしょうか(ちょっと違うか?)
アレックス・クロスというキャラは「犯罪心理学の専門家」という設定なので、「Tyler Perry’s なんたら」みたいなコメディ映画を監督・脚本・主演を兼ねて撮りまくっているペリーは何かイメージが違うなーと。
クロス役にジェイミー・フォックスを起用できれば立派なA級サスペンスになった気もしますが、バジェット的に難しかったか、あるいは最初からそういう路線は狙っていなかったのか。個人的には『ロックンローラ』(08)や『プロメテウス』(12)のイドリス・エルバなんて知性とタフさを兼ね備えた感じでよかったんじゃないかなーと思うのですが、どうでしょう。
しかしペリーのクロス役異常に強烈なのが、”ピカソ”役のマシュー・フォックス。役作りで筋トレ&減量をしたらしく、見た目にもアブない感じのサイコな悪党を不気味に演じている模様。もはや『LOST』のジャック・シェパードの面影は微塵もありません(左腕のタトゥーは健在)。
そういえばフォックスはここ最近飲酒運転だの、女性のバス運転手を殴っただの、ドミニク・モナハンからツイッターでボロカスに言われただの、ダーティーな話題が続いておりましたが、この映画のための役作りだったのか、もともとSっ気のある人なのか、何だか分からなくなってきました。
そんな『ALEX CROSS』(12)は現在全米公開中。
“ややウケ”といった感じの興行成績と、日本でのペリーの知名度を考えると、日本公開は難しいかな…。
監督は『ステルス』(05)、『ハムナプトラ3』(08)のロブ・コーエン。
音楽は『ハムナプトラ3』でコーエンと組んだジョン・デブニーが担当しています。
サントラは配信のみのリリースらしい。まぁそんな事だろうとは思ったけど…。