『007 スカイフォール』(12)が早く観たいのですが、
まず『ロックアウト』(12)を先に観てきました。
こっちの方が早く劇場公開が終わってしまいそうだから。
『96時間』(08)や『パリより愛をこめて』(10)の流れを組む、リュック・ベッソン謹製「準A級(あるいはB+級)のハリウッドスターを使って作った小料理風アクション映画」シリーズ最新作。宇宙刑務所を舞台にガイ・ピアースと極悪囚人が大暴れします。
簡単に言ってしまえば「宇宙刑務所内で『ダイ・ハード』(88)をやってみました」というノリの映画。主人公キャラのスノーが口の減らない男という設定なのもジョン・マクレーンっぽいですが、スノーの方がもっとやる気がなくて、終始「面倒くせぇなぁ」という表情でダルそうにしてます。
で、スノー役のガイ・ピアース。もともと”濃い”芝居をするタイプの俳優ではないので、このやる気のない佇まいが実に自然でいい感じ。ホントに嫌々やってるんじゃないかと思ってしまう投げやり感(←もちろんそういう演技)がイイ感じ。
宇宙刑務所の囚人軍団のリーダー、アレックス役は『タイタンの戦い』(10)でケフェウス王を演じていたヴィンセント・リーガン。その弟で物語的には最もキャラが立っていた(ものすごい形相&イギリス訛りの英語)と思われるハイデル役は『狼たちの処刑台(Harry Brown)』(09)のジョセフ・ギルガン。あの、マイケル・ケインが銃を買いに行った怪しげな取引場所にいたチンピラを演じていた人ですな。2人いたうちヒゲ面のロン毛のほう。この映画の日本語吹替え版では若本規夫氏に声をアテてもらいたい感じの、イカれた悪党っぷりでした。
政府高官役でピーター・ストーメアと『ジェリコ 閉ざされた街』のレニー・ジェームズが出ているのですが、この二人の配役がポイント。大統領の娘エミリー役は『96時間』のキムことマギー・グレイス。映画本編が始まる前に『96時間 リベンジ』(12)の予告編があったので、マギー・グレイスの顔が妙に印象に残りました。
しかしこの宇宙刑務所、シークレット・サービスがこっそり持ち込んだ銃一丁で大ゴトになったり、制御室をあっさり囚人に占拠されたり、脇が甘すぎ。そういえばこのシークレット・サービスの人、暴動の原因を作った挙げ句、その後のシーンで部屋に立て籠もろうとしてエミリーを窒息死させかけるなど、なかなかのトラブルメーカーで笑ってしまった(まぁ責任取ってアレしたけど)。ドジすぎるでしょこの人。
音楽は『トランスポーター』シリーズのアレクサンドル・アザリア。低予算のB級アクション映画ながら、なかなか壮大なフル・オーケストラ音楽を鳴らしてました。エンドクレジットでは律儀にオケの編成を全部クレジットしていて、こういうのって珍しいなーと思いながら見てました。