3/27発売のエリオット・ルイスのニューアルバム『エンジョイ・ザ・ライド＋マスタープラン』の製作過程を振り返る、不定期連載コーナー。
少々ごぶさたしてしまった今回は、
日本版の仕様についてついて書かせて頂きたいと思います。
このブログで散々書かせて頂いた通り、今回のエリオットさんの新譜は『Enjoy The Ride』と旧アルバムの『Master Plan』を２枚組にしてリリースする事にしたわけですが、２枚組にしてもやっぱりお値段はフツーの洋楽CD１枚ぶんと同じ価格にした方がいいよなー、と思いました。
となると、「いかにして製作費を抑えるか？」という問題が出て参ります。
製作費は削りたいけど、元々の輸入盤よりクオリティを落とす事はしたくない。
日本盤用に何を残して、何を省くか。
何を追加して、何を削るか。
そのあたりを考えなければいけません。
まず原盤（輸入盤）の内容を調べてみると、
■紙ジャケ（シングルサイズ。不織布なし。写真はオモテ・ウラの合計２枚）
■CD（シルク印刷で４色）
■歌詞カードなし
…とまぁ本当に必要最低限の内容。これなら原盤から”省く”ものはないなと。
では日本盤のコンテンツに何をつけるか。日本盤特典の定番といえば、
■歌詞カード
■歌詞の対訳
■ライナーノーツ
■日本盤独自仕様のジャケット
■ボーナストラック
…というような感じではないかと思うのですが、さてどうしたものか。
歌詞のテキストはエリオットさんに頼んだらすぐに送ってくれたし、
ジャケット（ブックレット）用に追加で使う写真も無償で提供してくれたので、
これは追加予算をかけずに済みました。
ライナーノーツも人に頼まず自分で書けるから原稿料を別途払う必要はない。
ボーナストラックはDisc 2の”Master Plan”がそれに該当するよなぁ、と。
というわけで、上記のコンテンツを追加した場合、
歌詞を掲載する関係上ブックレットのページ数が増えて、
CDを２枚ぶんプレスする必要が出て、
２枚組CD用のケースが必要になるという３つの製作費UPの要素が出て来ます。
この増加した製作費を抑えるためには何を削らなければならないか。
熟考した結果、今回は泣く泣く歌詞対訳の掲載を見送る事に致しました。
（これが製作費のかなりの割合を占める事が分かったので）
まー翻訳については自分で出来ればコスト削減になるのですが、
自分の英語のレベルでは無理でした…。未熟者ですいません。
まぁそれはさておき、ブックレットも最小限のページ数（６P）に抑えて、
CDの盤面印刷もシルク２色（＝白黒）印刷にして、
パッケージも紙ジャケよりお安いプラケースにして、
プレス枚数を普段より気持ち少なめにしたら、
いつもと同じぐらいの製作費で落ち着きました。
それでも元々のアルバムよりもクオリティは落ちていないという。
半ば勢いで「今回はCD２枚組にするぞ」と決めたものの、
後になって「製作費がハネ上がったらどうしよう」と内心ビクビクしていたのですが、
やりようによってはコストを抑えられるもんなんだなーと思った次第です。
そんな感じで、『エンジョイ・ザ・ライド』はレーベル初の２枚組仕様になりました。
いま思えば、朗読劇イベントの準備と、
『ディスク・コレクション サウンドトラック』への寄稿（映画20数タイトル分）、
『オズ はじまりの戦い』(13)のパンフ原稿執筆の仕事が重なっていたのに、
よく全部期日通りに仕事を終えられたもんだなーと我ながら驚いております。
やっぱり自分の好きなもののための作業だと苦にならないのでしょうね。
と、このように試行錯誤の末に完成した『エンジョイ・ザ・ライド＋マスタープラン』を改めてよろしくお願いします。
出来れば配信よりパッケージ（CDアルバム）で買って頂きたいなぁ、と思います。
Daryl Hall & John Oates 関連商品 好評発売中！
■Eliot Lewis / 6 & One
AMAZON
レーベルショップ
iTunes
■Eliot Lewis / Enjoy The Ride+Master Plan
AMAZON
レーベルショップ
Enjoy The Ride (iTunes)
Master Plan (iTunes)
