メインテーマがカッコいい『ホワイトハウス・ダウン』の音楽

white house down

というわけで前回の投稿の続き。
『ホワイトハウス・ダウン』(13:以下WHD)の音楽について。
こちらのサントラ盤のライナーノーツを書かせて頂きました。

作曲はハラルド・クローサーとトーマス・ヴァンカーの二人。
スコアの作曲から映画の共同プロデュース、
さらに共同で脚本まで手掛けてしまうクローサーと、
彼の下で下積みをしながらキャリアを築いてきたヴァンカー。
綴りは「Thomas Wandar」なので表記は「ワンダー」じゃないの?とも思うのですが、
いろいろ調べてみたら「ワンダーでもヴァンカーでもどっちでもOK」という状態で、
こういう場合どっちにするべきかとかなり悩みました。

しかしながら同じ発売元(ランブリング・レコーズさん)の
『デイ・アフター・トゥモロー』(04)のサントラ盤ライナーノーツには、
「トーマス・ヴァンカー」と記載されておりましたので、
今回もそれに合わせた形になります。
ハンス・ジマーも今の表記になるまで「ズィマー」とか「ツィマー」とか安定しなかったので、
ヴァンカーも今よりもっとメジャーになったら、
カタカナ表記も統一されるのではないかなーと思います。

 

今回はライナーノーツを書くにあたって、
幸運にもヴァンカーさんにインタビューする機会に恵まれまして、
『WHD』の曲作りについてとか、クローサーとの共同作業についてとか、
音楽に込めたメッセージとか、いろいろ話を聞かせてもらえました。
ここで内容を書いてしまうと国内盤の存在意義がなくなってしまいますので、
詳しくは製品の拙稿にて。
ただひとつだけ書かせて頂きたいのが、
「『ホワイトハウス・ダウン』では愛国的な思想はそれほど重要じゃない」
…という事をヴァンカーさんも語っていたという事実です。
そういう映画ではないので、もっと気楽に観ていい作品だと思います。

さて肝心の『WHD』の音楽なのですが、
タイトルにも書いたとおりメインテーマがなかなか聴き応えあります。
ランブリングさんの製作担当の方とも、
試写の後で開口一番「メインテーマカッコよかったですよねー」と言ってしまったほど。
ゆったりと、雄々しく、そして力強く。
映画のオープニングで早速アツいメインテーマが流れ出すので、
是非じっくり聴いて頂きたいところです。
 

サウンド的には「オーケストラ+シンセ」といった感じの定番スコアですが、
いわゆる「リモート・コントロール系」よりシンセ・打ち込みの使用は控えめな印象。
管弦楽の音色が前面に出たスコアを聴かせてくれております。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』(13)に比べてハートウォーミングなスコアが多いのは、
ジョン(チャニング・テイタム)と娘のエミリー(ジョーイ・キング)の交流を描いているから。
これが結構よかったりするのでオススメです。

ちなみに物語序盤、エミリーが携帯音楽プレイヤーで聴いているのが、
サントラの最後に収録されたHe Met Herの”Chevy Knights”という曲。
エンドクレジットでもローリング・ストーンズの”Street Fighting Man”に続いて流れます。
映画本編であれだけハデにあれこれ破壊しまくっておいて、
最後にこういうあっけらかんとした曲で映画をシメるあたりも、
この映画の立ち位置を象徴しているようで興味深いなーと思うのです。


『ホワイトハウス・ダウン』オリジナル・サウンドトラック
音楽:トーマス・ヴァンカー/ハラルド・クローサー
品番:RBCP-2698
発売日:2013/08/14
価格:2,520円

 

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