改めて『マン・オブ・スティール』の音楽が素晴らしいと思った日

MOS_cape 

昨日『マン・オブ・スティール』(13)を観てきたのですが、
噂に違わぬ素晴らしい映画でした。

いかにもザック・スナイダー的な映画冒頭のクリプトンの映像。
クリストファー・ノーラン色濃厚な「悩める主人公」の描写。
序盤20分で早くも観客の心を鷲掴み。

次に人物描写。
ジョナサン・ケントとジョー=エルの二人の父親像。
CNNの映画紹介か何かで絶賛されていたラッセル・クロウ(ジョー=エル役)の演技。
クリストファー・メローニーとリチャード・シフの名脇役っぷり。
アメコミの世界からそのまま飛び出してきたかのようなマイケル・シャノンのゴツイ顔。
助演キャラから端役に至るまで、印象的な演技を見せてくれた俳優たちの姿にニンマリ。

そして肝心のアクション演出。
『鉄腕バーディー DECODE』からインスパイアされたらしい、
クライマックスの吹っ飛びまくりの戦闘シーン。
人間サイズで『パシフィック・リム』(13)規模の都市破壊をやってしまう豪快さに唖然。
143分があっという間でした。

ジョー=エルのお世話ロボ(?)ケロアの声が、
『エンジェル ウォーズ』(11)のマダム・ゴルスキーの人(カーラ・グギノ)というのも個人的にツボでした。
「この声、誰か有名な女優なんじゃないかなー」とは思いましたが、
まさかマダム・ゴルスキーだったとは。スナイダー監督も粋な事をなさいます。

そして何と言ってもハンス・ジマーの音楽が素晴らしかった。


『ダークナイト』3部作でお馴染みになりつつある、
溜めて溜めて溜めて溜めて最後にドーーーーン!と盛り上げるあのRISE感(←筆者勝手に命名)。
目まぐるしい映像&比類なき破壊描写と密接にリンクした、「ドラム・オーケストラ」による強烈なリズム。
非常に胸を熱くさせる音楽でした。
家に帰ってからサントラをノンストップで5回ほどリピートしてしまいました。

 …と、まぁこんな感じで「アツい音楽」ばかりに注目が行ってしまいがちですが、
人間ドラマを描いたシーンの静かな音楽がまた最高にいいのです。
母と子の別れの場面流れてくる、ヒルダ・オルヴァルッソンの清らかなヴォーカル。
重要なシーンに絶妙なタイミングで挿入されるマーティン・ティルマンのチェロと、
「母性」の象徴たる旋律を奏でるアン・マリー・カルフーンのヴァイオリン・ソロ。
父と子、母と子の心の交流を描く場面でしっとりと響くピアノの旋律。
言葉を用いずとも、慈しみ深さや悲しさを真摯に描ききったジマーの音楽には本気で感動しました。
ジマーの音楽を伴ったクラークと父ジョナサンの回想シーンは、
どの場面も目頭が熱くなりましたね。。
『マン・オブ・スティール』の音楽を「ドコドコ系」のひと言で片付けてしまうのは、
正直ちょっと違うんじゃないかなーと思います。

 

何だかんだ言ってジマーは凄いという事を再認識させられました。
映画を観終わっても、当分ウォークマンからこのサントラのデータを消せそうにありません。
「ドラム・オーケストラ」の面々については以前のこのブログからどうぞ。

 

 

Mychael Danna & Jeff Danna『A Celtic Romance』好評発売中!
レーベルショップ
iTunes A Celtic Romance: The Legend of Liadain and Curithir - Mychael   Danna & Jeff Danna