8月9日と10日に東京国際フォーラムで開催された、
ティム・バートン&ダニー・エルフマン映画音楽コンサートに行ってきました。
オーケストラのコンサートに行くのは久々だったのですが、
いやもう、大変素晴らしいショウでした。
「オーケストラのコンサートって、こんなにポップだったっけ?」と思ってしまうほど。
ロックのコンサートのような高揚感に包まれたステージだったように思います。
「バートン×エルフマンの作品から厳選したタイトルを演奏」ではなく、
「バートン×エルフマンの作品を全部演奏します!」という素敵な構成。
Act 1
01. チャーリーとチョコレート工場
02. ピーウィーの大冒険
03. ビートルジュース
04. スリーピー・ホロウ
05. マーズ・アタック!
06. ビッグ・フィッシュ
07. バットマン~バットマン・リターンズ
Act 2
08. PLANET OF THE APES/猿の惑星
09. ティム・バートンのコープス・ブライド
10. ダーク・シャドウ
11. フランケンウィニー
12. シザーハンズ
13. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
Encore
14. アリス・イン・ワンダーランド
15. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(Oogie Boogie’s Song)
作品によってメインテーマだけだったり、
人気のある曲をメドレー形式で演奏したりといろいろでしたが、
エルフマンの楽曲はテンポがよくて構成にメリハリがあるので、
トータルで2時間以上の上演時間があっという間。
『マーズ・アタック!』はテルミンとかチープな電子音をどうするのかなと思いましたが、
オーケストラとは別にシンセ奏者の方がいらっしゃったようで、
あのメインテーマを忠実に再現してました。
『フランケンウィニー』などのパイプオルガンの音もたぶんシンセかな…?
個人的には久しぶりに聴いた『スリーピー・ホロウ』がすごくよかった。
公開当時は「大袈裟な音楽」とか言われてたけど、
あれはハマー・フィルムのホラー映画の雰囲気を再現した作品だったから、
音楽もそれらしく作ったのであって、
別にエルフマンがやりすぎたわけじゃないと思うんですけどね…。
今回のコンサートで『スリーピー・ホロウ』の音楽が再評価されるといいなぁ。
公演を観る前から、たぶんウルっと来るだろうなーとは思ってましたが、
案の定『シザーハンズ』で目頭が熱くなりました。
正確にはその前の『フランケンウィニー』から目に涙が浮かんできて、
『シザーハンズ』のクッキー工場のシーンの音楽になった時、
スクリーンにヴィンセント・プライスがハート型のクッキーを手にとって、
ロボットの胸の前に当てるシーンの映像が流れてウルっと来て、
ウィノナ・ライダーが氷像の前で優雅に踊るシーンの音楽で涙のダムが決壊しました。
そしてアクロバティックなヴァイオリン・ソロを披露したサンディ・キャメロン。
たぶん今回の公演を観に来た人は全員彼女のファンになったと思います。
『シザーハンズ』のエドワードっぽいパンクなファッションがカッコイイし、
カワイイし、演奏技術も素晴らしいヴァイオリニストでした。
終盤の『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で我らがダニー・エルフマンの登場。
歌うと言っても2曲ぐらいかなーと思っていたのですが、
想像以上にガンガン歌ってくれてました。
歌っている時のエルフマンの動きがまんまジャック・スケリントンだったし、
アンコールの時はサンタ帽を被った指揮者のジョン・マウチェリとデュエットしてたし、
ジャックの魂がエルフマンに乗り移ったかのようなパフォーマンスで大コーフンでしたね…。
マウチェリまで歌い出した時はビックリしましたが、
彼はエルフマンの交響曲「Serenada Schizophrana」の指揮も手掛けているので、
エルフマンの音楽を知り尽くした指揮者なのでしょう。
ワタクシ仕事上のご縁で終演後にエルフマンご本人とお会い出来たのですが、
すごく繊細で穏やかな話し方をするジェントルマンでした。
ステージでのエキセントリックなパフォーマンスとは対照的。
『オズ はじまりの戦い』(13)でインタビューした時のことも覚えていてくれたし、
一緒に写真も撮らせてもらえたし、すごく優しい方でした。
『フランケンウィニー』のジャケットにサインを頂くことも出来て感激です。
(もちろんちゃんとお礼をさせて頂きました)
日本に居ながらにしてダニー・エルフマンの生歌が聴けて、
そのうえ貴重な体験までさせて頂いて、
一生忘れられない思い出になりました。
震災の時に「これはもうダメだわ」と今の仕事を諦めかけたこともありましたが、
何とか踏ん張って本当によかったなーと実感した一日でした。