指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ、
20分ごとに機内の誰かを殺す
…そんな脅迫メッセージを受け取ってしまった不運な航空保安官、
ビル・マークス(リーアム・ニーソン)の奮闘を描いた密室サスペンス『フライト・ゲーム』(14)。
ワタクシ、サントラ盤の仕事でこの映画の内覧試写に行ってきたのですが、
いやーこれがめっぽう面白かった。
バッファロー・ニュースなる媒体の、
「バカみたいに面白い。」
…という絶賛コメントはある意味「言い得て妙」ではないかと。
話としては『フライトプラン』(05)meets『オリエント急行殺人事件』(74)的な感じなのですが、
何がそんなに面白かったかというと、
登場人物がどれも見るからに怪しい人たちで、
その中から真犯人を捜し出す(予想する)のが楽しいわけです。
そしてその容疑者兼人質となった旅客機の乗員・乗客の矛盾した会話、
妙に協力的、あるいは非協力的な態度や言動、
不可解な行動といった、
“いかにも”な感じで張り巡らされた伏線にニヤニヤしっぱなし。
「これやりすぎだろ?」というぐらい胡散臭い人たちが、
次から次へと登場するのが最高です。
というわけで、
あらすじは映画の公式サイト(http://flight-game.gaga.ne.jp/)で確認して頂くとして、
ここでは本作に登場する「怪しいやつら」をネタバレしない程度にご紹介して、
皆さまに真犯人を当てて頂こうと思います。
まずはリーアム・ニーソンが演じる主人公の航空保安官ビル・マークス。
『フライトプラン』でピーター・サースガードが演じていたのと同じ役です。
私生活で問題を抱えていてアル中気味、
しかも飛行機嫌いで渋々職務をこなしている感のある、
イマイチ頼りない男。
飛行機に乗ったら自分の携帯端末に不審なメッセージが送られてきて、
「指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺す」
…などと脅迫されたので、犯人捜しに奔走することになります。
しかし非常事態とはいえ捜査方法がいささか強引なので、
捜査に嫌気が差した乗客から、
「アイツが犯人なんじゃね?」と逆に疑いの目を向けられてしまいます。
航空保安官の名にかけて意地でも真犯人を突き止めなければなりません。
…が、しかし。
「実は主人公が犯人でした」というオチもよくあるパターン。
『バットマン ビギンズ』(05)のデュカートも実はアレだったし、
リーアム・ニーソンだからといって善玉キャラとは限らないわけで、
果たして今回のリーアム・ニーソンはヒーローか真犯人か。
ビルの隣の席に座ることになる女性客ジェン役はジュリアン・ムーア。
なぜだかよく分からないけども窓側の席に座りたがり、
世間話でプライベートなことを聞こうとすると、言葉を濁すという怪しい人物。
しかし「自分が脅迫犯とメールをやり取りしている時に隣で寝ていたから」という理由で、
ビルは「彼女はシロ」と判断し、犯人捜しの協力を要請。
果たしてこの判断は吉と出るか凶と出るか?
リメイク版『キャリー』(13)を観た後だと、
ジュリアン・ムーアが悪役でもおかしくないよなーと思ってしまいます。
気丈な客室乗務員ナンシー役は、
TVシリーズ『ダウントン・アビー』で目下売り出し中のミシェル・ドッカリー。
業務上、ビルの素性(=航空保安官であること)を知っているので、
事件発生当初からビルを信用していて協力的な人物です。
しかし『フライトプラン』の犯人があんな感じだったので、
客室乗務員だからといって犯人ではないとは言えなかったりもするわけで。
今回の場合はどうでしょうねぇ。
もうひとりの目立つ客室乗務員グウェン役は、
『それでも夜は明ける』(13)で注目されたルピタ・ニョンゴ。
『007 美しき獲物たち』(85)のメイデイみたいなヘアスタイルがインパクト大ですが、
役柄的には「別にニョンゴじゃなくても…」というぐらい出番少なめ。
しかしそこはオスカー女優のニョンゴですから、
「前半全く目立ってなかったけど後半実は…」的な怒濤の展開が待っている可能性も。
残りの登場人物についてはまた次回。