先日『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)を観てきました。
いやーなかなかの映画でございました。
グルートがあんなカワイイ奴だとは思いませんでしたねー。
そっち系のキャラはアライグマのロケットが担当かと思ってましたが、
グルートのつぶらな瞳に胸キュンです。
映画冒頭の少年時代のピーターと病床の母との別れのシーン。
普通ならしんみりとする所なのですが、
ピーターのおじいちゃん役がグレッグ・ヘンリーで大笑い。
この人、ジェームズ・ガン監督やブライアン・デ・パルマ監督の常連俳優でして、
『スリザー』(06)の町長さんとか『スーパー!』(10)の刑事役、
デ・パルマ映画だと『ボディ・ダブル』(84)とか『ファム・ファタール』(02)に出てますね。
一番有名なのは『ペイバック』(99)かなー。
あの「ハバ・ハバ」とか言ってた裏切り者の悪党。
イカツイ顔でなかなか面白い芝居をする人です。
そして『スリザー』のカール博士の電話の声、
『スーパー!』の神の声に続いて、
今回もロブ・ゾンビが声の出演をしているのも見逃せない。
ちなみに今回はラヴェジャーズのナビゲーター役でした。
いっそのことラヴェジャーズの仲間役で出演すればよかったのにとも思いますが(違和感ないし)。
さて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の音楽なのですが、
懐メロについては前回いろいろ書いたので、
今回はタイラー・ベイツのスコアについて。
『スリザー』と『スーパー!』の音楽も手掛けているジェームズ・ガン監督の常連作曲家ですね。
ジェームズ・ガンがこの映画を監督することになったとはいえ、
何しろ今回はメジャースタジオの映画なので、
当初はマーベルから作曲家の人選についても注文が入るのではないかと心配しておりました。
「マーベル・シネマティック・ユニバースで統一感を出したいから、
ブライアン・タイラーかヘンリー・ジャックマンを使え」…とかそんな感じで。
ザック・スナイダーもタイラー・ベイツと一緒に仕事をしてたけど、
『マン・オブ・スティール』(13)でハンス・ジマーと仕事することになりましたし。
だから今回タイラー・ベイツが起用されてよかったなぁ、と安堵した次第です。
しかもガンは撮影前から曲を書くようにベイツに依頼していて、
既に出来上がった曲(多分モック・アップ)を撮影現場で流していたのだとか。
リー・ペイスはベイツの作曲したロナンのテーマを現場で聴いて、
音楽から役のイメージを膨らませたらしい。
「撮影前から既にスコアが何曲か出来ている」というケースは近年非常に珍しいですね。
ペイスはアルバム6曲目に収録されたRonan’s Themeにインスパイアされた結果、
映画本編でああいう演技を披露するようになったというわけです。
このタイラー・ベイツという作曲家、
元々ロック畑の人(PETというバンドをやってました)ということもあって、
「オーケストラをハードロックのように聴かせる作曲家」というイメージがあります。
まるでロックのリズムギターのように、
オーケストラのストリングスがすごくザクザクした音だったり、
オケにノイジーなギターやギターヴァイオルを被せたりする音を鳴らす人なんですね。
今回もエッジィなオーケストラ・サウンドを鳴らしているのですが、
極端なロック的アプローチはやや抑えて、
オーケストラにコーラス隊を加えたダイナミックなスコアを聴かせてくれます。
アルバム2曲目で搭乗するメインテーマも、
メロディーラインが明確で印象に残る感じだし、
要所要所できっちり燃えさせてくれるナイスな楽曲ではないでしょうか。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04)とか『ドゥームズデイ』(08)の時は、
ノリ重視というか雰囲気重視という感じで、
メロディーを聴かせるタイプの音楽ではありませんでしたが、
(あれはあれで好きなサウンドですが)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はかなり正統派のSFアドベンチャー音楽になってますぜ。
まぁこの映画、音楽は劇中で使われる懐メロに話題が集中しているので、
オリジナル・スコアにはなかなか注目が集まらないだろうとは思います。
が、しかし。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を隅から隅まで味わい尽くすならば、
是非ともタイラー・ベイツのオリジナル・スコアも聴いて頂きたい。
そしてサントラ盤は懐メロとベイツのスコアが両方楽しめる、
「Guardians of The Galaxy Deluxe」をお買い求め頂きたい所存です。
この機会にひとつ映画のオリジナル・スコアにハマってみませんか?
新たな世界が広がって楽しいよ!