先日アカデミー賞のノミネート作品が発表になりましたが、
当方の予想と違う作品がノミネートになったり、
逆にノミネートされなかったり、
まぁ何というか…「ふーむ、そういう選び方をするのね」という感じでした。
ワタクシここ数年は最優秀作曲賞の行方ぐらいしか興味がなくて、
全ての賞の予想をするほどの関心というかモチベーションが持てない状態です。
…と言いつつ、
『ライフ・オブ・パイ』(12)で弊社契約アーティストのマイケル・ダナが作曲賞を受賞した時は、
ワタクシ大喜びしてしまいましたが。。
さて今回の作曲賞候補は以下の5作品になりました。
『グランド・ブタペスト・ホテル』(アレクサンドル・デスプラ)
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』(アレクサンドル・デスプラ)
『インターステラー』(ハンス・ジマー)
『ターナー、光に愛を求めて』(ゲイリー・ヤーション)
『博士と彼女のセオリー』(ヨハン・ヨハンソン)
『ゴーン・ガール』は作曲賞部門もシカトですか?とか、
『バードマン』のアントニオ・サンチェスはノミネートされないのか?とか、
思うところはいろいろあるのですが、
(『フォックスキャッチャー』は作曲家がマイケル・ダナからロブ・サイモンセンに変わってしまったのでノーコメント)
ここ数年の傾向を検証しつつ、
自分なりに最優秀作曲賞の行方を予想してみたいと思います。
他の方の印象は分かりませんが、
ワタクシがここ数年感じている最優秀作曲賞の傾向と致しましては、
1. ハリウッドの第一線で活躍している(アメリカ人)作曲家にはなかなか賞をくれない。
2. ヨーロッパ系の作曲家が有利。
3. でもなぜだか分からないけど肝心なところでアレクサンドル・デスプラに冷たい。
4. 映画音楽が本業ではない音楽家に賞をあげることがある。
5. オーケストラに非西洋的な音楽(民族音楽とか)を採り入れた曲が評価されることが多い。
…という感じだと捉えております。
マイケル・ダナさんの『ライフ・オブ・パイ』は5.に該当するし、
マイケルさんはカナダ人なので、見方によっては1.にも当てはまる。
『ソーシャル・ネットワーク』(10)のトレント・レズナー&アッティカス・ロスは4.のパターンだし、
『アーティスト』(11)のルドヴィック・ブールスは2.に該当すると言えるでしょう。
この傾向から消去法で考えていくと、
まず『インターステラー』のジマーさんは可能性が低そうだなと。
(音楽は素晴らしいと思うのですが)
デスプラさんはフランス人なので可能性が高そうなのですが、
『クイーン』(07)、『ベンジャミン・バトン』(09)、
『ファンタスティック・Mr.FOX』(10)、『英国王のスピーチ』(11)、
『アルゴ』(13)、『あなたを抱きしめる日まで』(14)と6回連続ノミネート止まり。
しかも今回は『グランド・ブタペスト・ホテル』と『イミテーション・ゲーム』の2作品で、
票割れ確実のダブル・ノミネートという不利な状況。
なのでまたもや「無冠の帝王」状態が続くことになるのではないかと。
アカデミー賞会員はデスプラさんに賞を獲らせたいのか、
獲らせたくないのかどっちなんだ…。
ま、もしかしたら「そろそろデスプラに賞あげてもいいんじゃない?」的な動きがあるかも…?
となると、『ターナー、光に愛を求めて』のゲイリー・ヤーションか、
『博士と彼女のセオリー』のヨハン・ヨハンソンのどちらかに絞られるわけですが、
ワタクシ的にはヨハン・ヨハンソンがオスカーを獲得するのではないかと予想します。
ヤーションはイギリス人、ヨハンソンはアイスランド人でヨーロッパ系、
さらにどちらもオスカーの大好きな伝記映画ですが、
『博士と彼女のセオリー』は今もご存命のホーキング博士の若い頃を描いた映画ということで、
こちらの方が会員ウケがよさそうな気がする。
ヨハンソンは映画音楽だけでなく、
ポスト・クラシカルやエレクトロニカの分野でも活躍中ということで、
レズナーが『ソーシャル・ネットワーク』でオスカーを獲った時の状況を思い起こさせるのです。
というわけで、ワタクシの予想と致しましては、
本命:『博士と彼女のセオリー』のヨハン・ヨハンソン
対抗:『グランド・ブタペスト・ホテル』のアレクサンドル・デスプラ
大穴:『ターナー、光に愛を求めて』のゲイリー・ヤーション
…ではないかと思います。
この文脈から行けばヤーションが対抗馬になるはずなのですが、
『ターナー、光に愛を求めて』は本編が2時間30分近くあるのに、
音楽の占める割合が少ない(サントラを見た限りでは30分強)みたいなんですよね。。
そのへんがどう影響するのかなーというのと、
『グランド・ブタペスト・ホテル』人気がかなり高そうなのを考慮した結果です。
まぁ「1人だけ選ぶとしたら誰?」と聞かれたら、
今回はヨハン・ヨハンソンということで。
個人的にはデスプラさんが『グランド・ブダペスト・ホテル』でオスカーを獲ってもらいたいんですけども。
さて、受章結果はどうなるか。
※2/23追記:
デスプラさんが『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー賞最優秀作曲賞を受賞しました。
(うーん、ちょっとひねくれた予想をしすぎたか?)
何はともあれ、個人的にはデスプラさんに獲ってもらいたかったので嬉しい。
おめでとうございます!