ワタクシはレーベル業と並行して映画音楽解説も生業としておりますので、
先日のFilm Music Magazineのように、
今年のベスト・フィルムスコアを10タイトルと、
注目すべきニューカマーの作曲家を選出してみました。
なお「日本で今年劇場公開(もしくはDVD/ブルーレイリリース)になった作品」が対象なので、
中には製作年が2015年以前の映画もありますが、その点はご了承下さい。
…というわけで、まずはごく私的ベスト・フィルムスコア・トップ10。
(並びは原題のアルファベット順です)
■The Best Scores of 2015
1. 『チャッピー』(音楽:ハンス・ジマー)
2. 『クリード チャンプを継ぐ男』(音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン)
3. 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(音楽:ダニー・エルフマン)
4. 『ジョン・ウィック』(音楽:タイラー・ベイツ&ジョエル・J・リチャード)
5. 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(音楽:ジャンキーXL)
6. 『ナイトクローラー』(音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード)
7. 『コードネーム U.N.C.L.E.』(音楽:ダニエル・ペンバートン)
8. 『Re:LIFE ~リライフ~』(音楽:クライド・ローレンス&コーディー・フィッツジェラルド)
9. 『映画ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~』(音楽:アイラン・エシュケリ)
10. 『ウォーリアー』(音楽:マーク・アイシャム)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)の血湧き肉躍る音楽は最高でしたね。
大体こういう映画でロック/テクノ系のミュージシャンが音楽を担当すると、
ヒャッハーなギターロックやスカしたハードテクノ系のサウンドでゴリ押ししがちなものですが、
ジャンキーXLは”鳴らし屋”系のサウンドを炸裂させつつ、
ちゃんとオーケストラを使った曲作りをしていたのが素晴らしい。
あとワタクシとしては『ウォーリアー』(11)がやっとDVDで観られたのが嬉しい。
(「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2015」で限定公開されたらしいですがワタクシは観に行けず)
噂に違わぬアツいドラマでございました。
キレのあるリズムが印象的なマーク・アイシャムの音楽もよかった。
先にサントラを聴いた時、
「何でこれベートーベンの”第九”のフレーズを使ってるの?」と思いましたが、
映画本編を観て納得しました。素敵な音楽演出じゃありませんか!
マイケル&ジェフ・ダナ兄弟の『アーロと少年』(15)の音楽もすごくよかったのですが、
よく考えたら日本では2016年3月公開なので2015年作品の括りに入れられず、
また諸事情により詳しいことがまだ書けないので泣く泣くリストから外しました。。
サントラ紹介はまた来年の3月頃に。
その他の作品については、
ブログの過去の投稿をご覧頂ければと思います。
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文章が長くなりそうなので、
“The Composers to Watch”(注目の作曲家)については次回に持ち越し。
2015年のブログはこれが最後の更新になると思います。
皆さまよいお年をお迎えください。