今年のアカデミー賞について思っていることあれこれ。

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明日は第88回アカデミー賞授賞式ですが、
今回は『ルーム』(15)のブリー・ラーソンが主演女優賞を獲って、
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)が技術部門を中心に4、5個くらい賞を獲って、
『クリード チャンプを継ぐ男』(15)でスタローンが助演男優賞を獲ってくれれれば、
あとはどんな結果でも全然OK、という感じです。

 

最優秀作曲賞も『ヘイトフル・エイト』(15)のエンニオ・モリコーネが獲るのでしょう。
ジョン・ウィリアムズは”作曲賞のメリル・ストリープ枠”的な扱いだし、
『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)のトーマス・ニューマンはまだ「無冠の帝王」路線だろうし、
『ボーダーライン』(15)のヨハン・ヨハンソンの音楽はオスカー受けしにくい実験的なサウンドだし。
個人的には『キャロル』(15)のカーター・バーウェルを推しておりまして、
モリコーネの対抗馬だとは思っているのですが。

とはいえアカデミー賞も高齢のピーター・オトゥールを『ヴィーナス』(06)で主演男優賞にノミネートしておきながら、
結局ノミネート止まりにしたという重鎮に大変失礼なことをやらかしているので、
今回のモリコーネでもそういった大番狂わせ(という名の危険性)があるかもしれませんが…。
モリコーネ相手にそれをやったらサントラ・ファンから大ブーイング必至だと思いますが。

 

今回の作曲賞で個人的に納得がいかなかったのは、
『ルーム』のスティーヴン・レニックスがノミネートされなかったことですね。。
ワタクシ試写で映画本編を観ましたし、
仕事の関係でサントラも何十回と聴きまくりましたが、
『ルーム』の音楽は練りに練られた構成で非常によく出来てますよ!
まぁ映画本編が118分なのに対して、
音楽の割合が少ないという部分もあるにはあるのですが…。
もし『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)が去年公開になっていなかったら、
ウィリアムズの枠にレニックスが収まっていたかも…?
例えて言うなら『ルーム』のレニックスは、
第87回アカデミー賞の『ターナー、光に愛を求めて』(14)のゲイリー・ヤーション的なポジションだったと思うのです。
そのあたりが残念といえば残念ですね。。

 

あと『ルーム』といえばブリー・ラーソンの演技は本当にすごいです。
役作りで外界との関わりを絶った引きこもり生活を1ヶ月ほど続けて、
過酷なダイエットを敢行して体脂肪を12%まで落として、
撮影中も”部屋”に監禁されているシーンでは洗顔を極力避けて、
「酷い環境で監禁されている」状況をリアルに体現したのだとか。
壮絶すぎますね。。
この凄まじい役者根性を称える意味でも、
是非ラーソンに主演女優賞を差し上げて頂きたい。

…と、あれこれ書かせて頂きましたが、
泣いても笑っても明日の午後には全ての受賞結果が出るわけで、
賞レースの行方を見届けようと思います。

※2/29追記
終わってみれば『マッドマックス』が6部門受賞、
作曲賞はモリコーネの翁、
主演女優賞はブリー・ラーソンとなかなかの結果でありました。

スタローンが助演男優賞を逃したのを除けば。

うーーーん、確かにマーク・ライランスは巧い役者さんだと思うけど、
「あの人ならあの役を演じきれるだろう」という安心感というか安定感があるので、
「アクション映画でマッチョな役ばかりやってたけど、今回は老ロッキーをよく演じたよ!」
…という労いの意味も込めて、スタローンに賞をあげてほしかったなぁ…。

『レスラー』(08)の時に前哨戦までさんざん持ち上げておきながら、
最後の最後でオスカーをもらえなかったミッキー・ロークを思い出したよ。。。

 

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