エリック・セラの来日公演に行ってきました。

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先日ちょっとお休みを頂きまして、
Bunkamuraオーチャードホールで行われたエリック・セラの来日公演に行ってきました。

ダニー・エルフマンは今年も来日コンサートをやってくれるけど、
ハンス・ジマーやブライアン・タイラーの来日公演すらなかなか実現しない現状で、
エリック・セラのライヴを日本で観られることになるとは…。
それだけでも非常に感慨深いものがありますね。

 

初期のセラの映画音楽はシンセ主体でしたが、
『アトランティス』(91)あたりからオーケストラを使うようになったので、
今回のライヴはどういう演奏形態になるのかしらんと思っていたのですが、
ベース(セラ)、ギター、シンセ、サックス、ドラムス、パーカッションというバンド編成でした。
ロック、ジャズ、アフリカン・ミュージックなどの要素が絶妙なバランスでミックスされ、
ライヴ独自のアレンジとか、
コール&レスポンス的なアドリブ演奏とか、
腕利きミュージシャンたちの超絶プレイが楽しめる内容でした。

演出的にはライヴ会場を「宇宙船X-PLORER号(たぶん)」に見立てて、
銀河系の「惑星リュック・ベッソン映画」を次々と訪れていくというコンセプト。
で、開演前のジャン・レノからのビデオメッセージによると、
X-PLORER号の最後の着陸地点は渋谷駅の交差点なのだそうで。

 

詳しい演奏曲の順序は失念してしまいましたが、
1曲目は『ニキータ』(90)のRico’s Gang Suicideでした。
いきなりカッコイイ曲で来ましたねー。
ウネウネとぶっとい音を出すセラのベースに、
ロックなギターが唸るあの名曲が生演奏で聴けるとは。
TIPOKMOPの90年代ヨーロピアン・インダストリアル・ロックな音もシビれる。

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次が『フィフス・エレメント』(97)のインスト(Five Millenia Later)で、
続いてまさかの『ゴールデンアイ』(95)。
セラにとってあまりやり易い仕事ではなかった作品だったので、
ライヴで演奏してくれるとは思いませんでした。。
『ゴールデンアイ』の曲というよりは、
セラが独自の解釈でカヴァーした「ジェームズ・ボンドのテーマ」という感じだったかな。
ロックでジャジーでキレッキレのアレンジになったボンドのテーマが楽しめました。
(一応、『ゴールデンアイ』のスコアにあった特徴的な3音のフレーズも使っていました)
エンドクレジット曲のThe Experience of Loveでヴォーカルを披露。

この後『レオン』(94)や『サブウェイ』(85)、
『アーサーとミニモイの不思議な国』(06)、『グラン・ブルー』(88)、
『LUCY/ルーシー』(14)のサントラから代表的な曲を演奏。
オーケストラものをバンドスタイルで演奏すると、
サントラ盤に収録されたバージョンとは全く異なる演奏の展開を見せるので、
これがなかなか面白かったですねー。
『レオン』中盤のインプロビゼーションを多用したアッパーなノリとか、
『グラン・ブルー』のLet Them Tryの原曲以上にノリノリなアレンジとか。

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『グラン・ブルー』のOvertureを生で聴いて泣いたとか、
久々に『レオン』のクライマックスの映像を観て&音楽を聴いてジワったとか、
思い入れのある曲も人それぞれといった感じのようでしたが、
ワタクシの場合は何といっても『サブウェイ』が最高でしたねぇぇぇぇ。
青春時代の思い出の映画&サントラでしたので…。

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『サブウェイ』は特に感動巨編というわけでもないのに、
映画のダイジェスト映像に合わせてノリノリのロックンロール曲Speedwayが流れ出した時、
ワタクシ感激して涙が出そうになりましたよ。。
セラのヴォーカルで聴くGuns And PeopleやIt’s Only Mystery、
「演奏してくれたら嬉しいけど多分やらないだろうな」と思っていたら、
後の”アフリカン・ビートのコーナー”で演奏してくれたCongabassなど、
『サブウェイ』の名曲生演奏を聴いていて、
青春時代の思い出が一気に蘇って参りました。

 

終演後にセラさまとの握手会があるという話だったので、
ワタクシ会場でベスト盤を買って並ばせて頂きましたよ。
(先日ランブリングさんからベスト盤を貰っていたにもかかわらず…)

で、セラさまご本人とお話しして改めて実感したのですが、
エリック・セラさんはたぶんものすごくいい人だと思います。

何しろあの唯我独尊的な姿勢を崩さないリュック・ベッソンと、
ケンカもせず35年以上良好な関係を築いている時点で、
この方は相当気配りが出来る人なんだろうなと思ってしまうわけで。
(気難しそうなダリル・ホールと40年近く一緒にやっているジョン・オーツに近いものを感じます)

そしてオーチャードホールで公演を行えるクラスのアーティストが、
CD購入者限定とはいえ終演後に握手会をやってくれるという底なしのサービス精神。

さらにMCでは「みなさん今晩は」「楽しんでますか?」と、
流暢な日本語をちょくちょく使ってくれるというツアー先の観客への気遣い。
外国の方の日本語はつい「コンバンハ」とかカタカナで書きたくなりますが、
セラさまの日本語は思った以上に流暢なので、
もうひらがなと漢字を交えて書かせて頂きますよ。
あれは「今回のライヴのために覚えた日本語」というよりも、
「日本に何度か来ているうちに覚えた自然な日本語」ではないかと思います。
セラのオフィシャルサイトのトップページにもひらがなで「ようこそ」と書いてあったし、
親日家なんじゃないかなーと思います。

ワタクシも握手会の時にセラさまに思いの丈というやつを英語でお伝えしましたが、
「そうですかぁー、どうもありがとうございますー」と日本語で返答を頂きました。
この方ホントにいい人だと思う。
いやー、ライヴだけでも素晴らしかったのに、
終演後にいい思い出も作らせて頂けました。

 

そういえば初日の好演はGuns And Peopleの演奏時に、
マシントラブルがあって演奏をやり直したのですが、
その時のセラのコメントも妙に茶目っ気があって面白かったですね。
「ほら、今日熱いでしょ? だからコンピューターも熱でおかしくなっちゃったんだよねー」
…みたいなことを言っていたかな(英語で)。
あまりピリピリしてなかったところがこの方の人となりが出ていてよかったなぁ、と。

『アーサーとミニモイ』の時に会場の反応が薄くてスイマセンでしたね…。
リキッドルームぐらいのハコで、
コアなベッソン映画&セラのファンで埋まった会場だったら、
もう少しノリのいい反応が返ってきたのではないか…と思います。

まぁ何はともあれ、
行ってよかったなぁぁぁぁと心の底から思えるコンサートでございました。
皆さん親日家でとにかくいい人のエリック・セラさんを応援してあげて下さいね。

 

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