在りし日のアントン・イェルチンを偲んで『Like Crazy』のサントラ盤を聴く

likecrazyscore

Stars of the Lidのアダム・ウィルツィーとダスティン・オハロランのユニット、
A Winged Victory for the Sullenの来日公演が10月27日にあるそうで。

 

ワタクシも彼らのコンサートを見てみたいとは思うのですが、
10月はプライマル・スクリームとダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサートに行くことにしているので、
その次の週もまた東京に行けるかどうか、
なかなか微妙なところであります。。

まぁそんなわけで今回はひとつダスティン・オハロランのトピックでもと思ったので、
『Like Crazy』(11)のスコア盤について書かせて頂きます。
『今日、キミに会えたら』という邦題がついてますが、
原題のほうが個人的に好みなので『Like Crazy』で統一させて頂きます。

 

この『Like Crazy』は、
監督の実体験に基づいた遠距離恋愛の行方を描いた、
低予算のインディペンデント系映画。
しかし日本で劇場未公開だった上に、
DVDリリースにも2年と数ヶ月を要したため、
映画本編よりもサントラ盤(しかもスコア盤)の方が知名度が高いという不思議な作品でもあります。
なぜ映画より先にサントラの方が話題になったというと、
オリジナル・スコアを手掛けたのが件のダスティン・オハロランだったからです。

 

ダスティン・オハロランはモダン・クラシカル界で活躍中のピアニスト。
もともとそちら方面でコアな人気のあったアーティストでしたが、
彼の音楽が『マリー・アントワネット』(06)で使われたことで一気に知名度がアップ。
(かくいう自分もこの映画のサントラでオハロランとRadio Dept.に興味を持ったのですが)
「オハロランの新作が聴けるよ!」…ということで、
『マリー・アントワネット』で彼の音楽に魅せられたファンが、
まだ映画の日本公開も決まっていないのに『Like Crazy』のスコア盤を買い求めた、と。
まぁこういう感じの流れだったと思います。

 

オシャレな感じのカフェに行くと、
店内BGMとして『Like Crazy』のスコア盤を流しているお店も多く、
実際ワタクシも数年前に仙台市内の「cafe haven’t we met」本店と、
つい最近「カフェド・ギャルソン」の店内で流れているのを確認いたしました。
何だかどこかで聴いたことのある曲が流れてるなーと思い、
ギャルソンのマスターに「これ、『Like Crazy』のアルバムじゃないですか?」と尋ねたら、
「そうですよ、さすがよく知ってますねぇー」と言われました。

ことほどさようにお洒落なお店によく合う『Like Crazy』のスコア盤なのですが、
確かにいい音楽なんですよこれが。
スコア盤は全17曲41分。
アルバム全編に渡ってオハロランの繊細なピアノが流れているのですが、
ピアノにチェロ、ヴィオラ、ギター、という編成になっておりまして、
キラキラした音色と流麗なメロディーがリスナーの心の琴線に触れまくり。
劇中でアントン・イェルチンとフェリシティ・ジョーンズが演じる主人公たちの、
もどかしくも悩ましい遠距離恋愛の行方をリリカルに彩っています。

 

スコア盤単体でもモダン・クラシカル系のアルバムとして十分楽しめますが、
ワタクシとしては是非映画本編も観て頂きたい。
そうするとオハロランの音楽を聴いただけで切なくて泣けてきますから。
そしてこのサントラを聴きながら街を歩いたりなんかすると、
外の景色が今までと違って見えてくると思います。
そういえばマイケル・ナイマンの『ひかりのまち』(98)のサントラを聴いた時も、
こんな気分になったものです…。

アントン・イェルチンが不慮の事故で亡くなった今となっては、
別な意味でもこの映画を涙なしには観られなくなってしまいましたが、
もし機会があれば是非映画本編をご覧頂きたいと思います。
なおオハロランのスコア盤は必聴&マストバイでございます。

 

 

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