先日、予約注文していた『ガール・オン・ザ・トレイン』(16)のサントラ盤が届きました。
当初は「ティム・バートン&ダニー・エルフマンのハロウィーン・コンサート」までに入手して、
バックステージでダニーさんとお会いした時に、
「ダニーさぁぁぁん、新譜もバッチリ買いましたよぉぉぉ」…と言いたかったのですが、
発売日が当初の予定よりちょっと延びてしまったようで、
ワタクシの考えていたような話は切り出せませんでした。
しかし『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(15)のサントラ盤にサインを頂いている時、
「『ガール・オン・ザ・トレイン』のサントラ盤、予約注文しましたよ!」とお伝えしたら、
「おおそうか、『ガール・オン・ザ・トレイン』はいいぞ!」と言っていたので、
俄然サントラ盤を聴くのが楽しみになってきたわけです。
詳細は過去のこちらのブログにて↓
我が人生最高のハロウィーンかも…?今年もダニー・エルフマンと会ってきましたの巻
ワタクシの拙い英語力で「どんな感じの音なんですか?」と聞いたら、
「シンセサイザーをかなり多く使ってるんだよ」とダニーさんがおっしゃっていたのですが、
確かに『ガール・オン・ザ・トレイン』サントラ盤のブックレットを見たら、
Synthesizers: Danny Elfman
…と書いてありました。
エルフマンが楽器奏者としてクレジットされるのも珍しいですが、
シンセ奏者としての表記はさらに珍しいのではないかと思います。
で、実際アルバムを聴いてみたら、
オーケストラとシンセの割合が半々くらいではないか、という感じの音になっていました。
オーケストラは弦4部とハープ、そしてピアノ。
管楽器は使っていない模様。
あとは女性ヴォーカリストが2名クレジットされてますね。
フェミニンな繊細さを感じさせる音を使いつつ、
モワッとした重低音やエレクトロニカ風の冷たい質感のリズムやノイズ、
デチューン加工したマンドリンや耳障りな音を立てるエレクトリック・ギターを使った、
何ともミステリアスで居心地の悪さを感じさせる音楽です。
あと、たぶん音の速度を変えて再生させたりもしているのではないかと思います。
エルフマンが『ガール・オン・ザ・トレイン』の音楽を手掛けると聞いた時は、
自身が敬愛するバーナード・ハーマンっぽい音になるのかなと思っていましたが、
シンセ・サウンド系の方向に行くのはちょっと予想外でした。
しかしこの重低音を効かせたシンセ音楽がなかなか面白くてクセになる。
スコアの方向性としては『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)に近いのかな。
女性が主役のスタイリッシュなミステリー音楽という感じ。
ただし『フィフティ…』より官能的な要素は控えめで。
エルフマンは基本的にフルオケ・スコアを書く人ですが、
最近だと『人生はローリング・ストーン』(15)でシンセ・スコアを書き下ろしていたし、
『ウッドストックがやってくる!』(09)では60年代~70年代ロック風のスコアを書いていました。
そういえば今回のハロウィーン・コンサートのパンフレットでも、
「次に何をするのか誰にも見当がつかない、そんな作曲家でいたいんだ」と言っていたので、
『ガール・オン・ザ・トレイン』の音楽でそれを実践した形になりますねー。
とりあえず今年のハロウィーン・コンサートをご覧になった方には、
是非とも『ガール・オン・ザ・トレイン』のサントラ盤を買って頂きたいと思います。
何しろご本人が「『ガール・オン・ザ・トレイン』はいいぞ」と言っていた作品ですから。