東京都内での劇場公開から遅れること数ヶ月、先日やっと『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』(16)を観ることが出来ました。
オリジナル・スコアの作曲はロブ・シモンセン。
ワタクシは以前『二ツ星の料理人』(15)のスコア盤にライナーノーツを書かせて頂きましたが、もともとシモンセンの音楽には以前から関心がございまして、今回も映画を観るより先にamazonでアルバムを試聴したところ、音楽があまりにもカッコよかったので、試聴した次の瞬間にはサントラをダウンロード購入しておりました(CDリリースされなかったのでデジタルダウンロードで購入)。
Nerve (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon mp3
『NERVE』の音楽の何がそんなにカッコよかったのかと申しますと、全編本格的なエレクトロニカ/シンセ・ポップ/ドリーム・ポップ/アンビエント系のサウンドだったのです。
ネオンカラーが印象的なジャケ写から何となく「テクノっぽい音」を想像してはおりましたが、ここまで力の入ったシンセ・スコアを聴かせてくれるとは…と嬉しくなった次第です。
クリフ・マルティネスの『ドライヴ』(11)や『ネオン・デーモン』(16)
ダフト・パンクの『トロン:レガシー』(10)
M83の『オブリビオン』(13)
ディザスターピースの『イット・フォローズ』(14)
ハンス・ジマーの『チャッピー』(15)
ジョルジオ・モロダーのサントラが好きな方にはグッと来るサウンドではないかと。
トラックリストは以下の通り。
1 Game On
2 Player
3 Staten Island
4 Lighthouse
5 Dare Accepted
6 Dress
7 Player vs Player
8 Night Drive
9 Ticket To Aruba
10 New York F***ing City
11 Verrazano
12 Catfight
13 Losing It
14 Snitches Get Stitches
15 A Way Out
16 Coliseum
17 Vote Yes or No
18 The Sun’s Gone Dim and the Sky’s Turned Black (Rob Simonsen Nerve Remix) – Jóhann Jóhannsson
19 Aftermath
20 Let’s Play (Bonus Track) – Rob Simonsen & White Sea
ボーナストラックを含めてスコアは48分くらいあるのですが、映画本編では既存のポップ・ミュージックがガンガン流れるため、シモンセンのスコアが少ししか流れなかったり、本来スコアが使われるべき場所が歌モノに差し替えられていたような気もします。
とはいえ「NERVE」のゲームタイトル画面で流れるトラック[1]はキャッチーなテクノポップ風味で楽しいし、「目隠し運転でバイクの速度を時速96kmまで出せ」のシーンで流れる[10]は、スピーディーなテクノサウンドがゲームソフト『ワイプアウト』のサウンドトラックを彷彿とさせるし、「ネット・セレブ」という空疎だけどもきらびやかな世界を描いたような、スコア全体に漂う浮遊感あふれるデジタル・サウンドが何とも心地よかったり。
「映画のサントラ」という概念を離れて、単体のシンセ・ポップ/エレクトロニカのアルバムとして楽しめる内容でした。
なお本編未使用のボーナストラックとして、M83とのコラボでも知られるモーガン・キビーがWhite Sea名義で参加したLet’s Playがポップでメロディアスで最高です。ああ、どうしてこの曲を映画本編で使ってくれなかったのか…。
『NERVE』のサントラ、しばらくヘビーローテーションすることになりそうです。