『ムーンライト』の音楽で注目度UP!ニコラス・ブリテルのサントラをいろいろ聴いてみようの巻

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、『ムーンライト』(16)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

文字数の関係でライナーノーツに書けなかったことも少々あったので、それを弊社のブログで補完させて頂きます、…ということを以前のブログでお話ししたのでした。

さて何から書き始めたものかと考えたのですが、まずはニコラス・ブリテルという音楽家をもう少し詳しくご紹介させて頂こうと思います。

 

ワタクシの場合、彼の音楽を最初に聴いたのは『それでも夜は明ける』(13)でした。
ブリテルは劇中のヴァイオリン曲や挿入歌(スピリチュアル・ソング)を作曲しているのですが、映画賞の作曲賞にノミネートされたのはスコアを作曲したハンス・ジマーで、サントラ盤も「ジョン・レジェンドやアリシア・キーズ、クリス・コーネルの曲を収録!」という感じで紹介されたので、作品への貢献度の割にはブリテルの名前があまり出てこなかったという印象でした。

まあかくいう自分もこの時はブリテルの曲よりジマーさんのスコアに関心があったので、ブリテルの音楽を意識してきちんと聴いたのはこの次の作品だったのですが。

『それでも夜は明ける』の製作を手掛けたプランBエンターテインメント(ブラピの映画製作会社)はブリテルの手腕を高く買ったようで、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15)で再びブリテルと仕事をすることになりました。
今度は追加音楽ではなく、オリジナル・スコアの作曲を手掛けています。
この作品でブリテルはなかなか面白い音楽を書いているのですが、アカデミー賞の候補にもなった作品であるにもかかわらず、残念なことにサントラがダウンロード版のみのリリースになってしまいまして、一部のサントラマニア以外には『マネー・ショート』のサントラが出ていたことすらあまり知られていないような気がします。
(日本のamazonやiTunesで買えるだけ『キック・アス』のスコア・アルバムなどよりまだ扱いがマシですが…)
そしてブリテルとプランBとの縁は本作でも続いていると。

 

ワタクシは新しい作曲家のサントラ作品を好んで購入する人間なので、ブリテルのサントラもいろいろゲットしているのですが、ナタリー・ポートマンの監督デビュー作『A Tale of Love and Darkness』(15)は未だに日本未公開・未ソフト化、『マネー・ショート』はダウンロードのみのリリース、『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(16)はCDリリースされたものの、製造枚数が少なかったのか在庫がなかなか補充されないという状態が続いております。

『A Tale of Love and Darkness』はブリテルが本格的なクラシック音楽を書いているなかなかの力作なのですが、肝心の映画が日本でまだソフト化すらされていないというのは残念ですね。。
サントラ盤はmilan recordsからCDリリースされたものの、こちらも現在では品薄な感じ。早めに買っておいてよかった。

 

…ということは、現状では『ムーンライト』のサントラ盤が最も手に入りやすいブリテルのアルバムということになりますね。

ことほどさように、どちらかというと今まで「知る人ぞ知る作曲家」的な感じでしたが、今回の『ムーンライト』であらゆる映画賞の作曲賞にノミネートされたので、今後はブリテルのサントラもちゃんとCDでリリースされるようになるような気がします。

『ムーンライト』の音楽紹介についてはまた次回。

 

 

『ムーンライト』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ニコラス・ブリテル
レーベル:Rambling RECORDS
品番:RBCP-3186
発売日:2017/04/07
定価:2,400円+税

 

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