ルパート・グレッグソン=ウィリアムズは『ハクソー・リッジ』と『ワンダーウーマン』の音楽でブレイクするか?

昨日から『ハクソー・リッジ』(16)の公開が始まりましたが、
この映画、ワタクシ的にはルパート・グレッグソン=ウィリアムズの音楽に大変興味がございます。
(サントラ盤は昨年購入済み。映画も今月中に観ます)

名前でピンと来る方も多いと思いますが、
ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ(以下RGW)はハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(以下HGW)の弟です。
HGWは『スパイ・ゲーム』(01)とか『ザ・タウン』(10)とか『イコライザー』(14)などのカッコイイ音楽で有名ですが、
RGWはどうも「HGWの弟」というだけでこれまで過小評価されてきた向きがありまして、
多作ではあるけれども「誰もが知っているメガヒット作」に恵まれなかったような気がします。

 

ワタクシ以前『ビー・ムービー』(07)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きましたが、
その時にRGWのスコアをかなりじっくり聴きこみまして、
「ハリー兄さんに勝るとも劣らない才能があるから、ルパートさんもこれからブレイクするんじゃないのかなー」と思ったのですが、
コメディ映画への登板が多くて日本未公開作も多かったせいか、
ハンス・ジマー一派の音楽が好きなリスナーからもあまり注目を浴びなかったんですよね…。

もちろんコメディ以外にシリアスドラマの音楽も手掛けておりまして、
署名運動による日本公開決定が話題になった『ホテル・ルワンダ』(05)の音楽を担当したりもしていたのですが、
この映画の音楽はアンドレア・グエラとRGW、アフロ・ケルト・サウンド・システムの3人が分業で担当していて、
RGWは”Interhamwe Attack”や”Ambush”といった主に襲撃シーンの音楽の担当で、
ドラマパートの音楽はメイン作曲家のグエラに譲っていたんですよね…。
だからRGWの実力が発揮出来た作品とは言いがたい。

それだけに今回の『ハクソー・リッジ』では、
デズモンド・ドスの夫婦ドラマと過酷な戦場の両方でRGWの音楽が存分に聴けるのが嬉しい。
RGW本来のポテンシャルが最大限に発揮出来る作品と言えるでしょう。

 

そしてこの後には本国でメガヒットをかっ飛ばした『ワンダーウーマン』(17)の公開が控えているわけで、
これはもうRGWの名前も日本でバッチリ認知されるだろうなと。
そりゃあティナ・グオ姐さんがエレクトリック・チェロを弾きまくる「ワンダー・ウーマンのテーマ」に関しては、
『バットマン vs スーパーマン』(16)のジマーさんからの引き継ぎ仕事だけれども、
RGWが担当したそれ以外の音楽も重厚かつドラマティックでかなり聴き応えありますよと声を大にして申し上げたい。

よく考えたらRGWは『ターザン REBORN』(16)の音楽で既にブレイクの兆しがあったのですが、
この映画のサントラは音楽がよかったけどダウンロード&オンデマンドCD-Rのリリースのみで、
ちゃんとしたプレス盤で発売してくれなかったんですよね…。
何でプレス盤で出してくれなかったんだよぅ、と人知れず嘆いたものです。

何はともあれ、『ターザン REBORN』と『ハクソー・リッジ』と『ワンダーウーマン』の三段攻撃でRGWのブレイクは間違いなしだと思うので、
今後は彼のサントラもちゃんとしたプレス盤でリリースしてくれる確率が高くなるのではないかなと思います。

みなさん、この機会にルパート・グレッグソン=ウィリアムズの名前をしっかり覚えてあげて下さいね。

 

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