ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、ウィノナ・ライダー&キアヌ・リーブス4度目の共演作『おとなの恋は、まわり道』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽を手掛けたのは、作曲家・編曲家・指揮者・音楽監督として活躍するベテラン、ウィリアム・ロス。
ワタクシの記憶が確かならば、ロス名義のサントラ盤が日本盤として発売されるのは『マイ・ドッグ・スキップ』(00)以来18年ぶりではないかと。
『炎のメモリアル』(04)の音楽もロスが手掛けていましたが、こちらのサントラはソング・コンピレーション盤で、ロスのスコアは1曲しか収録されていませんでしたので。
この方はオーケストレーターやアレンジャー、指揮者としての仕事が多いので、ハンス・ジマーやジョン・ウィリアムズのような形でサントラリスナーの間で語られる機会が少ないのですね。
ご本人も映画音楽家として活動しているのだけれども、日本未公開作やテレビ映画が多いので、サントラ盤ライナーノーツなどで紹介される機会も少ない。
今回はものすごく久々にロスのサントラ盤が日本盤としてリリースされるし、CD形態でリリースされるのは日本だけということで(海外はダウンロードのみ)、ワタクシもしっかりしたライナーノーツを書こうと思い、いろいろ頑張ってウィリアム・ロス氏にインタビューを行いました。
あれこれ情報を調べまくって、やっとのことで申し込み窓口(?)を見つけはしたものの、お相手は御年70歳の大ベテラン。
インタビューを申し込んでも相手にされないんじゃないかと思ったのですが、ダメモトで取材を申し込んでみました。
すると「私の音楽に対するお前さんの関心と真摯な姿勢、しかと受け取った!喜んで質問に答えよう!」と気に入ってもらえまして(ホントはもっと気さくな言葉遣いでした)、期日までにロス氏から回答を頂くことが出来ました。
『おとなの恋は、まわり道』の音楽を担当することになった経緯とか、
スコアをどういう音楽で行くことにしたかとか、
音楽で何を描きたかったかとか、
作曲家の視点から見た映画の感想とか、
おそらくこのサントラ盤ブックレットでしか読めないであろう貴重な話を、いろいろ語ってもらえました。
(海外のサイトでもこの映画の音楽に焦点を当てたロス氏のインタビューはほとんどなかったと思う)
…というわけで、ロス氏の詳しいコメントについてはサントラ盤をお買い求め頂いて拙稿に目を通して頂きたいのですが、それだけでは『おとなの恋は、まわり道』の音楽がどんな感じなのか分からないと思うので、こちらのブログでざっくりご紹介させて頂きます。
『おとなの恋は、まわり道』のスコアはメキシコ音楽の要素が入っているのが大きな特徴と言えるでしょう。
「アコーディオン&アコースティックギター+リズムセクション」の構成を基本に、ピアノやトランペットが加わっている感じ。
そこにジャジーなピアノ曲も少々。
「生楽器の柔らかな音色と耳馴染みのよいメロディで贈る、リゾート感覚あふれる心地よい音楽」といった表現がしっくり来るかなと。
ヱビスビールのCMで流れる『第三の男』のメインテーマがありますが、あんな感じの音楽をイメージして頂くと分かりやすいかなと。
(まあ、あれはどちらかというとジプシー・ジャズっぽい感じですが)
ゆったりしたリズムの心地よい音楽なので、リラックスタイムなんかにも聴いて頂きたいサントラですねー。飲食店のBGMなんかにも向いてると思います。
ムービープラスの映画情報サイト「BANGER!!!」の中でも、『おとなの恋は、まわり道』の音楽について何か書かせて頂く予定になっているので、そちらもよろしくということで。
『おとなの恋は、まわり道』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ウィリアム・ロス
レーベル:Rambling RECORDS
品番:RBCP-3303
発売日:2018/11/21
定価:2,400円+税