BANGER!!!のコラムで書き切れなかった『コン・エアー』のネタあれこれ

先日BANGER!!!のコラムで『コン・エアー』(97)の見どころ&音楽紹介コラムを書きました。

ハリウッド版「魁!!!男塾」? ニコラス・ケイジ主演『コン・エアー』の意外な功績とバンド“イエス”ギタリスト作曲のロックな劇伴 | https://www.banger.jp/movie/93921/

…ちなみにこのコラムタイトルはワタクシが考えたものではありません。
(編集部に「男塾」読者の方がいらっしゃったんでしょうか)
当方の記事がアップされた時に「そう来ましたか…」と思ったほどで。

本当は『マッシブ・タレント』(22)のコラムを書きたかったのですが、諸事情により叶わなかったため、それなら『マッシブ・タレント』の映画本編でもフィーチャーされている『コン・エアー』について書こうかなと思ったのです。何しろ映画が始まって早々に『コン・エアー』のエンディングが流れますから

…とまぁそんなわけでいろいろBANGER!!!でいろいろ書かせて頂きましたが、字数の都合でコラムに書けなかったネタ、マニアックすぎて需要がなさそうなネタなどもいくつかございますので、当方のブログにて補完させて頂きたいと思います。

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『リービング・ラスベガス』のサントラに曲を追加して曲順を変えてみた

『マッシブ・タレント』(22)日本版公式ツイッターアカウントさんが実施していた「MyBestニコケイ」の投稿で『リービング・ラスベガス』(95)についてツイートした時、久々に映画本編を鑑賞しました。


詳細なネタを含むツイートをするにあたって、うろおぼえの情報ではなく、きちんと精査した内容を投稿しようと思い、きちんと映画本編を観て、サントラ盤のブックレットもしっかり読み直したというわけです。

当然サントラ盤もざっくり聴いてからツイートしたのですが、久々にアルバムを聴いて「やっぱりいいサントラだな」と再認識しました。そして長年ほったらかしにしていたアルバム未収録曲の追加作業を行うことにした次第です。

そのアルバム未収録曲というのが、マイケル・マクドナルドによるジャッキー・ウィルソンのカヴァー”Lonely Treadrops”
マイク・フィギス監督の友人でもあるスティングがタダ同然で提供したジャズ・スタンダードのカヴァー3曲と、ドン・ヘンリーがカヴァーした”Come Rain or Come Shine”、ザ・パラディノスの”I Won’t Be Going South For A While”、ニコケイが即興的に歌った”Ridiculous”は収録しているものの、この曲だけアルバムに入っていませんでした。

ワタクシこの映画のサントラは1990年代当時もよく聴いていたのですが、その頃はインターネットもやっていなかったので、”Lonely Teardrops”が何のアルバムに収録されているか分からず、CDで聴くのは諦めておりました。そして現在に至るまでサントラに曲を補完する作業を怠っていたのでありました。

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最近買ったサントラ盤(『メイフィールドの怪人たち』拡張盤, 『氷の微笑』2枚組拡張盤)

昨年の暮れに『L.A.コンフィデンシャル』(97)と『ダブルボーダー』(87)の拡張盤サントラを買って以来、改めてジェリー・ゴールドスミスの音楽はいいなぁと思うようになり、年が明けてからまだ買っていなかったゴールドスミスの拡張盤サントラを買いました。
いずれも諸々の理由で購入を先送っていたアルバムでしたが、「いざ欲しくなった時に品切れ廃盤になっていたらマズい」というわけで購入に踏み切った次第です。

■その1:『メイフィールドの怪人たち』(89)拡張盤

ジョー・ダンテ監督、トム・ハンクス主演のホラーコメディ。
ワタクシなかなかこの作品を観る機会に恵まれず、昨年La-La Land Recordsから拡張盤がリリースになった時もすぐには買いませんでした。

しかし絶妙なタイミングでザ・シネマにて映画の放送があり、ブルース・ダーン(退役軍人のご近所さん役)が登場する度に『パットン大戦車軍団』(70)のパロディのようなエコープレックスのトランペット・ファンファーレが鳴って笑ってしまったので、これはちゃんとサントラを買ってゴールドスミスの音楽を聴いたほうがいいなと思って購入しました。

ホラー”コメディ”でありながらメインテーマはきっちりホラーな雰囲気を出しているし、パイプオルガンを使った王道サウンドもいい。そして相変わらずパーカッションやシンセで変な音を鳴らしてくれている。
こういうドタバタした映画でも本気の音楽を書き下ろしてくれるゴールドスミスは本当に素晴らしい。気心の知れた監督のためなら、たとえそれがB級映画でも全力で取り組んでくれる人だったんだなと改めて思いました。ジョー・ダンテ作品でも『グレムリン』(84)や『インナースペース』(87)など傑作スコアをたくさん作曲してましたし。

そして映画本編も予想以上に面白かった。やっぱりトム・ハンクスはスラップスティックなコメディに出ていた頃が一番輝いてたなと思います。CDトレイ部分の写真もよかった。

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『セブン』のスコア完全盤にNINの”あの曲”とデヴィッド・ボウイの”あの曲”を追加した話

ハワード・ショアのレーベル、HOWE RECORDSから発売になった『セブン』(95)のスコア完全盤サントラに、ナイン・インチ・ネイルズの”Closer (Precursor)”とデヴィッド・ボウイの”The Hearts Filthy Lesson”を追加して拡張盤サントラを自作しました。

これはコロナ禍初期のステイホーム生活中に行った作業なのですが、ブログで書いていなかった気がするので書きます。

『セブン』のサントラは映画公開当時TVT Recordsからリリースになっていて、劇中使用曲にショアのスコアを2曲(うち1曲は組曲形式)収録した、いわゆるソングコンピ盤でした。
しかし誰もが聴きたかったであろうNINのオープニング曲と、「クレジットが上から降りてくる」という印象的なエンドクレジットで流れるボウイの曲は未収録でした。よくある権利関係の都合というやつだったのでしょう。

「確かにこの曲使われてたけどさ、自分が聴きたいのはそれじゃないんだ…。それにショアのスコアももっと聴きたいんだよ…」と思いながら何年も過ごしたものです。

でもボウイとNINの曲ぐらいは自分で入手出来るんじゃないかと思い、当時高校生だった自分はゴチャゴチャしたデザインのエンドクレジット(読みにくかった…)の情報をもとに、レコードショップでお目当ての曲を探しました。

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閉店した中屋洋菓子店を偲んで

先日Googleマップを見たら、台東区・佐竹商店街にある老舗のお菓子屋さんの「中屋洋菓子店」が”閉業”になっていました。
ここしばらく休業していたので気になっていたのですが、twitterの投稿などを見ると店主が亡くなられたらしく、何だか悲しくなりました。跡継ぎの方もいらっしゃらなかったんですね…。

自分がこちらのお店を知ったのは「ゲームセンターCX」のたまゲーのコーナーで、有野課長が喫茶室の亜流インベーダーゲームをプレイした回の放送でした。AD渡邊さんが名物のジャムロールを丸ごと一本ひとりで食べるという豪快な映像を見て、何か美味しそうなカステラロールだなと思ったものです。お店のご主人の素朴そうなお人柄も印象的だった。

東京に出張することはあっても、あのへんは行く機会がないんだよね…と思いながら時は流れ、世の中はコロナ禍に突入してしまいました。
ステイホーム生活の初期の頃に前述の「ゲームセンターCX」の再放送があって、「ああ、そういえば中屋洋菓子店さんのカステラは結局食べずじまいだったなぁ」と思いながら放送を見ていました。

その後ネットで調べてみたら、なんと地方発送もしてもらえるということが分かりました(FAXでの注文というところが実にレトロ)。詰め合わせの内容もいろいろ都合してくれるということで、電話でご主人に注文内容を説明して、同じ内容を記載したオーダーシートをFAXで送るという方法でお取り寄せをお願いしました。カステラの日持ち具合やお届け日時、代引き手数料込みの値段なども教えて下さり、とても親切でした。

…と、ここまではごく普通のお取り寄せのお話だったのですが、その後ちょっとしたトラブルがございました。オーダーした日の翌日、東北地方でかなり大きめの地震があったのです。2021年の2月のことでした。

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